小佐田定雄

小佐田 定雄（おさだ さだお）

小佐田定雄は、日本の演芸研究の第一人者として知られる落語・狂言作家であり、多くの作品を手掛ける才能豊かな人物です。彼は1952年2月26日、大阪府大阪市で生まれ、本名は中平定雄です。関西学院大学法学部を1974年に卒業し、その後は演芸の世界に身を投じました。現在、彼は関西演芸作家協会の会員でもあり、演芸の振興に寄与しています。

来歴

中学生の頃に桂米朝やSF作家の小松左京の出演するラジオ番組「題名のない番組」を耳にし、落語に魅了された小佐田氏は、関西学院大学では古典芸能研究部に専念しました。大学卒業後、彼は火災保険会社に勤務しつつ、落語会への参加を続けます。1977年、桂枝雀に新作落語「幽霊の辻」を送付し、その才能を認められ落語作家デビューを果たしました。その後、しばらくはサラリーマンと作家の道を両立させていましたが、1987年からは専業の作家として活動を始めました。

彼のキャリアの中で、上方の新作落語、新旧の古典落語の復活・改作、江戸落語の上方化に取り組んでいます。さらには、狂言の研究や大学での講師としても精力的に活動し、次世代の演芸家育成に力を注いでいます。

受賞歴と主な作品

小佐田氏は、多くの賞を受賞しています。1988年には上方お笑い大賞秋田実賞を受賞し、1990年には第7回咲くやこの花賞を受賞。1995年には大阪舞台芸術賞奨励賞を、2021年には松尾芸能賞優秀賞も手にしました。彼の作品には「幽霊の辻」、「雨乞い源兵衛」、「貧乏神」、「遺言」などがあります。

また、落語以外にも、歌舞伎作品や文楽の舞台脚本を手掛けており、2016年には新作歌舞伎『廓噺山名屋浦里』の脚本も執筆しました。この作品は笑福亭鶴瓶の新作落語を基にし、タモリが吉原を訪れた際のエピソードが絡むものです。

メディア活動

小佐田は、さまざまなメディアでの活動も展開しています。彼はラジオ番組の司会や構成などを手掛け、落語やその背景に関する解説を行っています。「文珍・南光の家訓をたずねて」や「丑三つ亭」などの番組で、幅広い演芸ファンに親しまれています。

また、彼はコラムや著書も多彩に発表しており、特に「茶漬えんま 桂枝雀新作落語集」や「落語大阪弁講座」は、演芸に興味のある読者にとって貴重な資料となっています。彼自身の作品を通じて、落語の楽しさや魅力を伝え続けています。

小佐田定雄は、演芸界での幅広い経験を活かして、新作落語や伝統芸能の普及に貢献し続けています。その活動は、今後の日本の演芸の発展に大きく寄与することでしょう。

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