小便器

小便器

小便器は、男性の排尿に特化した便器であり、使用後はフラッシュバルブによって洗浄・排水される。ここでは、小便器の種類、歴史、構造、そして洗浄装置について解説する。

小便器の種類

小便器には、様々な種類が存在する。

床置（ストール）型小便器: 縦長の床置型で、大型、中型、小型に分類される。公衆便所に多く見られ、仕切り板が設置されることもある。トラップが便器に組み込まれているため、施工が容易。
壁掛け型小便器: 楕円形のものが一般的だったが、最近では様々な形状の製品が存在する。成人男性の股間の高さに設置されることが多く、子供には使いにくい場合がある。
低リップ型小便器: 壁掛け型と床置型の中間的な形状で、子供から大人まで使いやすい。床清掃も容易で、新設・改修される小便器の主流となっている。
筒型小便器: 竹筒のような形状で、和風の飲食店などで見られる。跳ね返りや臭気防止のために氷が投入されることもある。
省スペース型小便器: 一般住宅にも設置可能な細身のデザイン。
女性用小便器（サニスタンド）: かつてナイロンストッキングの伝線防止のために開発されたが、日本では普及しなかった。
手洗い付小便器: 手洗い器と一体化した小便器で、手洗いの水を便器の洗浄に再利用する節水機能を持つ。
幼児用小便器: 床置型小便器を小型化したもので、幼稚園や保育所などで使用される。
壁式小便器: 公園や駅などの古い公衆便所で見られる、壁に尿を当てるタイプの小便器。衛生面の問題から、近年では減少傾向にある。
スカイトイレ: 工事現場や災害時に使用する簡易トイレ。

小便器の歴史

和式便器が主流だった頃は、男性の小用に和式便器が使いにくいため、一般家庭でも小便器が設置されることが多かった。しかし、洋式便器の普及に伴い、公衆トイレや公共のトイレ以外で見かけることが少なくなってきた。

小便器の構造

小便器は、上水道管、フラッシュバルブ、洗浄水の吐水口、リム部、排水口、トラップ、配水管、排水トラップなどで構成されている。壁掛け型小便器は、便器本体が壁に固定されており、便器の下部に排水トラップ部が露出している。

大小両用便器（兼用便器）

和式大便器の一種で、男性の小用を兼ねる両用便器も存在する。一般住居や小規模な店舗、ホテルなどで採用されている。洗浄装置はフラッシュバルブまたはタンク式が用いられる。

小便器の洗浄装置

小便器の洗浄は、主にフラッシュバルブを接続して給水する。手動式と自動式があり、自動式は人感センサーによって作動する。古い公共のトイレでは、ハイタンク式による連立一斉洗浄方式が用いられていたが、近年では減少傾向にある。衛生面から、洗浄薬剤や尿石付着防止薬剤が使用されることもある。

小便器は、男性の排尿に特化した便器として、様々な種類や機能が存在する。近年では、節水性や衛生面に配慮した製品が開発されている。

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