小倉孝保

小倉孝保の人物像と業績

小倉孝保（おぐら たかやす）は、1964年7月9日に滋賀県長浜市で生まれた日本のジャーナリストであり、ノンフィクション作家、そして毎日新聞の記者です。彼は滋賀県立虎姫高等学校を卒業後、関西学院大学の社会学部へ進学し、1988年には毎日新聞社に入社しました。

小倉氏のキャリアは、多岐にわたります。福井支局や阪神支局、大阪本社社会部、さらに東京本社の外信部などで活躍した後、カイロ支局長、ニューヨーク支局長、欧州総局長、外信部長を経て、編集編成局次長に就任しました。彼は国際的な視点をもって報道を行い、特に海外の情勢について深く掘り下げた記事を多く執筆しています。

彼の著作は、さまざまなテーマにわたっており、その一部は国際情勢や戦争、アスリートの生涯、そして中世の文化などを取り扱っています。2011年には、『柔の恩人―「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』で小学館ノンフィクション大賞およびミズノスポーツライター賞の最優秀賞を受賞しました。この作品は、女子柔道の普及に寄与したラスティ・カノコギの人生と業績を描いています。

2014年においては、日本人として初めて英国外国特派員協会賞（特派員部門）を受賞し、国際的な評価も得ている彼の活動は特筆すべきものです。また、著作には『戦争と民衆 イラクで何が起きたのか』や『大森実伝 アメリカと闘った男』、さらには 『空から降ってきた男 アフリカ「奴隷社会」の悲劇』などがあり、これらの本は彼自身の取材経験や洞察をもとにした貴重な作品となっています。

小倉氏の著書には、特に近年のものとして『100年かけてやる仕事 中世ラテン語の辞書を編む』があり、これは彼の興味の対象が多岐にわたることを示しています。また、2023年には『中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事』が出版され、ラテン語の辞書作成に関わる彼の考え方やプロセスがわかる内容になっています。さらには、2020年には『ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯』も出版され、アスリートをテーマにした作品も手掛けています。

小倉氏は、メディアにおける活躍だけでなく、ラジオ番組『森本毅郎・スタンバイ!』におけるコメンテーターとしても活躍しており、リスナーに向けた最新のニュース解説を行っています。特に2018年以降は、不定期にニュースズームアップのコメンテーターとしても登場し、時に代理で出演することも多かったです。

彼の著書の中には、映画化予定の作品も含まれており、2025年3月には『35年目のラブレター』が東映によって映画化されることが発表されています。このように、小倉孝保は多様なフィールドで活躍し続ける、現代のジャーナリズム界における重要な存在といえるでしょう。

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