小倉謙 (植物学者)

小倉 謙について

小倉謙（おぐら ゆずる）は、1895年6月26日に宮城県仙台市に生まれ、日本の著名な植物学者として知られています。彼の専門分野は植物形態学と植物解剖学であり、これらの学問領域において日本国内での発展に大きく寄与しました。

教育とキャリア

彼は東京帝国大学植物学科を卒業後、母校である東京帝国大学にて講師や助教授として教鞭をとることになります。1940年代には教授へと昇進し、1938年から1946年にかけては日本植物学会会長も務めました。長い学問の旅を経て、1956年には東京大学を定年退官し、名誉教授に就任しました。その後は横浜市立大学で新たに教職を抱え、多くの学生に植物学を教え続けました。

受賞歴

小倉は1946年に、日本学士院賞を受賞しました。この賞は彼がシダ植物の解剖学において特に顕著な業績を残したことに対する評価の表れです。彼の研究は、学術界だけでなく、一般市民にも影響を与えるものでした。

家族について

小倉は家族に恵まれた環境で育ち、父の小倉長太郎（茗園）は実業家であり、歌人としても知られています。さらに彼には多くの兄がおり、それぞれ異なる分野で活躍しています。兄たちは国文学、言語学、海洋学、地質学、建築学と多岐にわたる分野で業績を残しており、家族全体が学問に貢献してきたことが伺えます。

研究業績

彼の主な著作には『植物形態学』や『植物解剖及び形態学』などがあり、これらの書籍は現在でも多くの読者に活用されています。また、小倉は植物切手の収集家としても知られ、『世界植物切手大図鑑』という著書があることからも、彼の興味・関心の広さがうかがえます。彼の研究は植物の美しさやその構造を深く理解する手助けとなり、次世代の学者たちにも影響を与え続けています。

著書と翻訳

小倉謙の著書の中には、以下の重要な作品があります。

• - 『植物系統解剖学』 岩波講座生物学（1930年）
• - 『植物形態学』（1934年）
• - 『植物解剖及形態学』（1949年）
• - 『切手で見る植物図鑑』（1955年）
• - 『植物の事典』（監修、1957年）
• - 『トピカルの集め方』（1968年）
• - 『世界植物切手大図鑑』（監修、1979年）

また、彼はトムソン科学大系を共訳するなど、翻訳活動にも努めました。

結論

小倉謙は日本の植物学界において中心的な存在であり、彼の業績は今なお多くの人々に影響を与えています。彼の研究と教育活動は、植物学の発展だけでなく、多くの学生に知識の宝庫を提供し、日本の学問を足元から支えてきました。彼が残した膨大な著作と教えは、これからも末永く受け継がれていくことでしょう。

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