小出三尹

小出三尹の生涯と業績

小出三尹（こいで みつただ/みつまさ）は、江戸時代前期の重要な大名であり、和泉陶器藩の初代藩主として知られています。彼は小出秀政の四男として1589年に丹波国で生まれました。母親は側室であり、豊臣秀吉との血のつながりはありませんでしたが、彼の名前の「三」は石田三成から取られた偏諱とも言われています。

三尹は初め豊臣秀吉に仕官し、秀吉の馬廻を務めました。彼は慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いの際に、父や兄と共に西軍に属し、大津城の戦いに参加しました。若いながら砲術を扱い、敵の攻撃によって負傷するも、身内の功績により命を救われ、所領もそのまま維持されました。このように運命に翻弄されながらも生存の道を見出した三尹は、その後、急速に地位を固めていきました。

慶長8年（1603年）、兄の小出秀家が死去すると、その養子となり家督を継ぎました。この年、徳川家康の推挙を受けて従五位下に叙せられることとなります。慶長9年（1604年）には、父の秀政が亡くなり、遺領の一部が与えられることになります。これにより、和泉国大鳥郡、河内国錦部郡などを含む5郡において1万石を得て大名となり、和泉陶器藩の初代藩主としての地位を確立しました。なお、秀家の遺領2000石はこの時に没収されました。

その後、慶長14年（1609年）には江戸へ上り、将軍徳川秀忠に仕官しました。慶長19年（1614年）から始まる二度の大坂の陣でも徳川方として活躍し、その存在感を示しました。これらの戦いでの功績は、彼の名声を高める重要な要素となりました。

寛永10年（1633年）からは尾張での奉行を務めた際には、永井監物白元や乗山内匠一直と共に地方行政に力を注ぎ、同12年には遠江でも同様の役職を果たしました。また、寛永11年（1634年）には将軍徳川家光の上洛に供奉し、その信任を得ていきます。寛永17年（1640年）には池田輝澄の改易時には上使としての重要な役割を果たしました。

小出三尹は寛永19年（1642年）4月29日に播磨国山崎で54歳で亡くなりました。その生涯は、戦乱の時代を生き抜いた大名として充実したものであり、彼の後は長男の有棟が継承しました。三尹の業績と彼が藩主として築いた基盤は、和泉陶器藩の歴史において重要な位置を占めています。

もう一度検索