小出英安

小出英安

小出英安（こいで ふさやす）は、江戸時代前期に但馬国出石藩の第6代藩主を務めた人物です。出石藩小出家5代当主にあたります。

生涯

延宝元年（1673年）12月12日、先代藩主である小出吉重の長男として生まれました。同日、父の隠居に伴い家督を相続し、藩主の座に就きます。藩主就任に際し、弟の英直に1500石を分与しました。

藩政における功績と粛清

藩主として、英安は領内の開発に尽力しました。特に、養父郡の伊佐新田をはじめとする新田開発を積極的に推進し、領内の生産力向上に貢献しました。また、藩財政の安定化を図るため、藩札を発行するなど、その手腕を発揮しました。

しかしその一方で、英安は苛烈な粛清を行ったことでも知られています。藩札発行をめぐり不正があったとして、商人や家臣団の多くを処刑または追放に処しました。この粛清は、領民や家臣団に大きな衝撃を与えました。

粛清の対象は、不正に関与したとされる者だけに留まりませんでした。英安のやり方を諫めた家老や奉行、さらには医師までもが追放されるか、その苛烈さに恐れをなし、自ら藩を去る者もいたと言われています。この粛清は、藩内の政治を混乱させ、多くの有能な人材を失う結果となりました。

元禄4年（1691年）12月26日、英安は55歳で死去しました。跡を長男の英益が継ぎました。

評価

小出英安は、新田開発や藩札発行など、藩政において一定の功績を残した一方で、苛烈な粛清を行ったことで、賛否両論のある人物として評価されています。領民からは慕われることもあったようですが、家臣からの信頼は低かったと考えられます。彼の藩政は、領内の発展に貢献した反面、多くの犠牲者を生んだという側面も持ち合わせています。

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