小原真史

小原真史のプロフィール

小原真史（こはら まさし、1978年生まれ）は、日本の著名なキュレーター、映像作家、批評家です。愛知県出身で、2001年に早稲田大学第一文学部を卒業し、2004年には多摩美術大学大学院美術学部芸術学科を修了しました。彼は2009年から2017年までIZU PHOTO MUSEUMの研究員として活動し、現在は東京工芸大学の准教授を務めています。

映像作家としての活動

小原氏は、写真家の中平卓馬に同行し撮影したドキュメンタリー映画『カメラになった男 写真家 中平卓馬』を制作するなど、映像作家としても多彩な活動を展開しています。この作品では、卓馬の写真家としての人生とその影響をインタビュー形式で描出しており、観る者に深い思索を促す内容となっています。さらに、彼は増山たづ子や比嘉康雄、古屋誠一など、国内外のアーティストとも関わり、彼らの作品を通じてヴィジュアル・カルチャーについての研究を行っています。

研究と展覧会の実績

小原氏は、特にヴァナキュラー写真の概念についての研究が注目されています。このテーマに基づいて、2010年にIZU PHOTO MUSEUMで開催した展覧会『時の宙づり——生・写真・死』では、地域に根差した写真の重要性を扱いました。また、「荒木経惟写真集展 アラーキー」や「小島一郎 北へ/北から」展、「宮崎学 自然の鉛筆」展、「富士定型」展、「増山たづ子 すべて写真になる日まで」展、自身が関与したさまざまな展覧会を通して、日本の写真文化を広めてきました。

他にも、国際的な博覧会において「人間の展示」をテーマにした展覧会を企画しており、肯定的な評価を得ています。具体的には「イッツ・ア・スモールワールド：帝国の祭典と人間の展示」展（KYOTO EXPERIMENT2021SPRING）や「スペクタクルの博覧会」（恵比寿映像祭2022）など、多岐にわたるテーマで数々のプロジェクトに取り組んでいます。

受賞歴と教育活動

小原氏の業績は多くの賞によって認められています。2005年には重森弘淹写真評論賞を受賞し、2012年には「写真の会」賞を、また2016年には日本写真協会賞の学芸賞を受けました。これらの受賞歴は、彼の深い知識と洞察力を示しています。

2019年から2021年の間には、多摩美術大学や神奈川大学で非常勤講師として教壇に立ち、若い才能を育成することにも力を注いでいます。また、さまざまなフォトコンペティションの審査員も務めており、業界の発展に貢献しています。

著作と映像作品

小原氏は、多くの著書を執筆しており、その中には共同編集で出版された『時の宙づり: 生・写真・死』や、監修及び著作である『富士幻景―近代日本と富士の病』などがあります。近年では、映像作品としても注目されている彼の活動は、その独自性と鋭い視点によって、日本のアートシーンにおいて欠かせない存在となっています。

このように、小原真史は多岐にわたる活動を通じて、映像と写真に関する重要な業績を築いており、日本のヴィジュアル・カルチャーにおいて影響力のある人物としての地位を確立しています。

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