小口径管推進工法

小口径管推進工法

小口径管推進工法は、地表を掘り返さずに地下に管路を敷設する非開削工法の一種です。具体的には、トンネル状の穴を掘り進め、その中に管を通して管路を接続します。特に、管の直径が700mm以下のものを小口径管推進工法と呼び、主に下水道整備事業で用いられています。

概要

この工法では、まず、管路を敷設する予定のルートに沿って、垂直方向に複数の立坑（発進立坑）を掘ります。立坑の深さは通常4m以上です。これらの立坑を直線で結ぶように、推進機を用いて掘削を行います。掘り進められた穴に、立坑から細切れにした管を搬入し、接続することで、地表を開削せずに管路を構築できます。

利点

小口径管推進工法の最大の利点は、地表を開削しないことです。これにより、従来の開削工法に比べて、騒音、振動、交通渋滞といった問題を大幅に軽減できます。また、作業に必要なスペースが少なく済むため、狭い場所での施工にも適しています。さらに、幅広い種類の土質に対応できるのも、この工法の強みです。

難点

一方で、小口径管推進工法には、高い精度の測量技術が求められるという難点があります。正確な測量に基づいて掘削を進めないと、管路が設計どおりに敷設できなくなる可能性があります。

工法の種類

小口径管推進工法には、様々な種類が存在します。

泥濃式
高耐荷力方式 (ヒューム管推進工法)
オーガ方式
泥土圧方式
アイアンモール工法
サクセスモールオメガ工法（小口径泥土圧・吸引排土式推進工法）
泥水方式
ミクロ工法 (小口径推進管、長距離・曲線推進工法)
コブラ工法（全土質対応型 小口径管推進工法 一工程方式）
低耐荷力方式
圧入二工程方式
オーガ方式
泥土圧方式
アイアンモール工法
エンビライナー
泥水方式
ベル工法 (小口径塩化ビニル推進管、長距離・曲線推進工法)
鋼製さや管方式
圧入方式
グルンドラム
ボーリング方式一重ケーシング方式
ボーリング方式二重ケーシング方式
オーガ方式
泥水方式
取付管推進工法
スピーダー工法
ベビーモール工法
インパクトモール工法

これらの工法は、それぞれ異なる特徴を持ち、地盤の状況や施工条件に応じて選択されます。

参考文献

社団法人 日本下水道管渠推進技術協会
ヒューム管推進工法 ヒューム管＆ベルスタ推進工法協会
ミクロ工法協会・ベル工法協会
地建興業株式会社［推進工事］
* ジオリード協会

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