小国城 (出羽国最上郡)

小国城（おぐにじょう）

小国城は、山形県最上郡最上町本城にかつて存在した日本の山城です。この城の起源は、細川直元が支配していた居館「岩部楯」とされ、細川氏が滅亡した後に小国氏によって築城されました。

概要

小国城は、標高290メートルのお城山に位置し、向町の東側、左右には絹出川を見渡す立地にあります。周辺には十日町や本城などの集落が点在し、名残として「侍屋敷」「丸山屋敷」「庄屋屋敷」などの小字が残されています。お城山の尾根には城跡が広がっており、最高所の本曲輪を中心に、段状の小曲輪が南側稜線に連なって形成されています。さらに、尾根の両側面には長い腰曲輪があり、これらの構造に基づき、小国城は単郭式の大規模な城と考えられています。

歴史

小国城の築城時期は不明ですが、戦国時代にさかのぼります。当時、細川直元は天童城主との同盟を結び、最上義光に対抗していました。しかし、義光は天童氏を滅ぼし、その後、直元は山刀伐峠を越えて侵攻してきた最上氏との戦闘で敗れ、直元は討死にし、小国郷は最上氏の領土となりました。この戦いを「万騎ヶ原の戦い」と呼びます。

直元の家臣である蔵増安房守は、最上氏に忠誠を誓い、戦功を挙げて小国郷を与えられます。彼の嫡子は小国光基と改名し、岩部楯を改修して小国城を築き上げました。しかし、後に最上氏がお家騒動により改易されると、彼の家も佐賀藩鍋島家に預けられ、その後小国城は廃城となりました。さらに、小国郷は仙台藩に接収され、後には戸沢藩の領地となりました。

アクセス

小国城跡には、陸羽東線の最上駅から徒歩で約20分でアクセスできます。向町地区の東端に位置する本城の裏山がお城山と呼ばれ、古道が整備されており、観光客には「お城山城跡線」として散策コースも用意されています。自然に囲まれたその場所では、歴史に思いを馳せながら城跡を訪れることができます。

参考文献

• - 山形県教育委員会 1997『山形県中世城館遺跡調査報告書』第3集（庄内・最上地区）pp.176-177

関連項目

• - 日本の城一覧

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