小国町図書室

小国町図書室：歴史的建造物と自然が調和する空間

熊本県阿蘇郡小国町宮原にある小国町図書室は、歴史深い建物と豊かな自然に囲まれた、地域住民にとってかけがえのない存在です。正式には公共[[図書館]]ではありませんが、町民に親しまれる情報と学習の拠点として機能しています。

建物の歴史：小国銀行から図書室へ

現在の図書室の建物は、明治26年（1893年）に設立された小国銀行の本店として建設されました。その後、昭和9年（1934年）に鉄筋コンクリート造りの洋風建築として建て替えられ、小国銀座街に面した壮麗な姿は、地域の繁栄を象徴する存在でした。昭和12年（1937年）の一県一行主義政策により肥後銀行に合併された後も、小国支店として使われ続けました。

昭和65年（2000年）に小国町役場跡地へ肥後銀行小国支店が移転すると、町は旧銀行本店の建物を取得。町の交流施設「あみだ杉の館」として再生しました。この建物は、小国町の歴史と発展を物語る貴重な近代建築遺産として、大切に保存されています。

あみだ杉の館：自然と芸術の融合

「あみだ杉の館」という施設名は、小国町黒渕にある樹齢1300年以上の天然記念物「阿弥陀杉」に由来します。この阿弥陀杉は、かつて伐採の危機に瀕しましたが、地元住民の尽力によって守られ、国の天然記念物に指定されました。しかし、平成11年台風18号による倒木被害を受けました。

町は倒れた阿弥陀杉の巨木を、彫刻家・豊福知徳氏に依頼し、力強いモニュメントへと生まれ変わらせました。その作品「たてとよこの構造」は、あみだ杉の館のホール中央に展示され、訪れる人々を圧倒する存在感を見せています。

図書室：地域住民の情報拠点

小国町図書室は、平成21年（2009年）に「あみだ杉の館」内に移転しました。大正5年（1916年）に北小国村に設立された北里文庫の流れを汲み、地域住民に愛される図書室として、長年にわたり利用されています。蔵書数は多くはありませんが、地域住民に必要な情報を提供し続けています。

令和5年（2023年）4月からは、休館日が日曜日から月曜日に変更され、より利便性の高いサービスを提供しています。小国町在住・在勤・在学者であれば、10冊まで14日間借りることができます。

小国町図書室へのアクセス

小国町図書室は、歴史的建造物と自然の融合という、他に類を見ない魅力的な環境にあります。阿蘇の雄大な自然と、歴史の重みを感じられる空間で、読書や学習を楽しむことができます。小国町を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

開館時間: 10時～13時、14時～18時

休館日: 月曜日、祝祭日、年末年始

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