小城得達

小城得達のサッカー人生

小城得達（おぎ ありたつ）は、1942年12月10日に広島県広島市で生まれたサッカー選手で、現役時代はフォワード、ミッドフィールダー、ディフェンダーをこなすオールラウンドプレーヤーとして知られています。彼は昭和40年代のサッカー界を代表する選手の一人であり、特に東京五輪とメキシコ五輪での活躍が記憶されています。彼はまた、前広島県サッカー協会会長としても知られ、サッカー界に多大な貢献をしました。

幼少期と高校時代

彼の生い立ちは過酷でした。実家は材木店でしたが、2歳の夏に広島市内で被爆し、母親と姉とともに奇跡的に救われました。広島大学附属小学校では、サッカーを楽しむ程度でしたが、広島カープの誕生に影響されて野球に夢中になりました。しかし、広大附属中学では軟式[[野球]]部へ入部します。

広大附属高校に進むと、当初は長身化しサッカー部に入部します。高校では素晴らしい才能を発揮し、数々の大会に出場。特に1960年にはソ連のFCロコモティフ・モスクワとの対戦で高校生ながら貴重な経験を積みました。この試合でのパフォーマンスにより、彼は天才少年と称されました。

大学時代とプロ入り

1961年に中央大学へ進学し、在学中に数多くのタイトルを獲得します。特に1962年の関東大学サッカーリーグ戦では、無敗での4冠を達成しました。この年の活躍により、A代表に選出され、1963年にはドイツのジュニア代表戦で国際Aマッチデビューを飾ります。

彼のキャリアのハイライトは1964年の東京オリンピックで、主に防御的な役割を果たし、全試合に出場しました。特にアルゼンチン戦での決勝ゴールが印象的です。オリンピック後も小城はサッカー界での地位を確立し、1965年に故郷の東洋工業と契約しました。

プロキャリア

東洋工業での彼のキャリアは最盛期を迎えました。初年度は無敗を誇り、リーグ制覇を果たしました。また、彼は1968年のメキシコシティオリンピックでも銅メダル獲得に貢献し、特に守備での活躍が光りました。小城は特にプレースキックやPKに優れ、リーグ得点王にも輝いています。

彼の国際Aマッチでの出場数は62試合を記録し、11得点を挙げています。彼のプレースタイルは、相手FWとのマッチアップに特化しており、高い身体能力によって支持されました。

引退後の活動

小城は1976年に引退し、1977年から1980年にかけて東洋工業の監督を務めました。彼の指揮の下、チームは天皇杯準優勝やリーグ4位の成績を収め、一時的にチームを再建しました。退任後もサッカー教室で指導に励み、広島県サッカー協会の会長として地域サッカーの発展に尽力しました。

最後に

小城得達は、サッカー選手としてだけでなく、その後の指導者としても広島のサッカー界に多大な影響を与えました。2006年には日本サッカー殿堂入りを果たし、2017年には旭日双光章も受章しています。今やサッカー史に名を刻んだ彼の足跡は、多くの人々にとっての指針とされています。

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