小堀進

小堀進：水彩画の巨匠

小堀進（こぼり すすむ、1904年1月22日 - 1975年3月16日）は、茨城県行方郡大生原村（現在の潮来市大賀）に生まれた著名な水彩画家です。彼は水彩連盟の創設メンバーの一人としても知られ、水彩画の地位向上とその発展に尽力しました。彼は生涯にわたり、郷里の美しい水郷風景や、山、空、海の広大な風景を描き続け、その独特な技法によって多くの作品を残しました。

生い立ちと教育

小堀は1922年に千葉県立佐原中学校を卒業し、その後、1923年に上京して葵橋洋画研究所に入所しました。そこで彼は、日本の洋画の巨匠である黒田清輝に師事し、画家としての基礎を学びました。この時期から、彼の水彩画に対する情熱が芽生え、次第に独自のスタイルを確立していくことになります。

画業の始まり

彼の画家としてのキャリアは、1932年に第9回白日会展に出品した「うすれ日」の入選から始まりました。その後、同年の第19回日本水彩展では「画室の一隅」と「盛夏の海」が入選し、1933年の第20回二科展で初の入選作品「高原」が評価されるなど、彼の作品は徐々にその存在感を増していきました。特に1934年には第21回日本水彩展でキング賞を受賞し、その名は広まりました。

水彩連盟の結成と活動

1940年、小堀は荒谷直之介らと共に水彩連盟を結成しました。この団体は、日本水彩画を発展させることを目指し、彼はその中心となって活動を行いました。水彩連盟初の展覧会は、1940年12月に東京都銀座の三越で開催され、その後の展覧会も続いていきました。

戦後と日展への道

戦後、小堀は再び上京し、1947年に開催された第3回日展に出品した「驟雨」が入選します。以降、1974年まで日展に毎年出品し続けるほか、6回の日展審査員も務め、その活動を通じて水彩画の普及に尽力しました。1957年に日展が民営化されると、彼は評議員に就任し、1969年には日展理事としても活動しました。

晩年と受賞歴

1970年には「初秋」が第26回日本芸術院賞を受賞し、同年、名古屋芸術大学の教授にも就任しました。1974年11月には、日本の水彩画家として初めて日本芸術院の会員となり、彼の業績が高く評価されたことを物語っています。1975年3月16日、小堀はがんにより71歳で他界しました。

没後の栄誉

彼の死後、1975年には勲三等瑞宝章を受章し、1991年には潮来市の名誉市民に選出されました。2004年には生誕100周年を記念して、故郷の潮来市にブロンズ像が建立され、彼の功績を後世に伝える存在となっています。

代表作

• - 「山」（1965年、千葉県立美術館）
• - 「初秋」（1970年、日本芸術院賞）
• - 「虹」（1974年、茨城県近代美術館蔵、絶筆）

小堀進は、彼の描く水彩画により、国内外の多くの人々に愛され続けている日本の水彩画の巨匠です。

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