小山昇 (法学者)

小山 昇の生涯と業績

小山昇（こやま のぼる、1917年8月1日 - 2015年10月22日）は、日本を代表する法学者の一人で、特に民事訴訟法において卓越した功績を残しました。彼は法学博士の学位を東京大学で取得し、その後、長年にわたり教育と研究に身を捧げました。北海学園大学および北海道大学の名誉教授として、彼の学問的影響は広範囲にわたります。

学歴と職歴

彼は1938年に第一高等学校文科甲類を卒業後、東京帝国大学法学部を1942年に卒業しました。その後、東京帝国大学で助手として民事訴訟法を専門に研究を開始し、1947年には北海道帝国大学に転職。助教授を経て、1953年からは教授として法経学部において教鞭を執りました。

1961年には法学部長を務め、1971年までパリ国際大学都市日本館館長も兼務しました。1981年には定年退官し、北海道大学名誉教授、北海学園大学の教授に就任しました。彼の教育活動は2015年まで続き、特に多くの優れた弟子を育て上げました。

学問の特徴と学説

小山昇は民事訴訟法の研究において、ほぼ全ての学説の対立において通説を支持しました。彼の「絶対必要説」は、訴訟上の和解に必要な要件についての重要な見解として知られています。この理論においては、訴訟が適法である限り、訴訟要件が整っていなければ和解が成立しないと主張しました。具体的には、訴訟係属が適法であり、訴訟要件を満たしていなければ、和解は記録すべきではなく、訴えは却下されるべきだと力説しています。

主要著作

小山は多くの重要な著作を残しており、その中には次のようなタイトルが含まれます：

• - 『民事調停法概説』（1953年）
• - 『調停法・仲裁法』（1958年）
• - 『民事訴訟法』（1968年初版、2001年新版）
• - 『小山昇著作集（全13巻）』（1990年 - 1994年）

これらの著作は、彼の研究の深さと広がりを示し、民事訴訟法学の発展に寄与しています。

エピソードと寄贈

北海学園大学を退職後、彼は自己の蔵書のほとんどを同大学附属図書館に寄贈しました。この行動は、教育への熱意と学問の普及に対する彼の強い信念を表しています。

影響と遺産

小山昇から学んだ弟子たちには、池田粂男や柏木邦良、本間靖規など、多くの著名な法学者がいます。彼の教育と研究は日本の法学界に多大な影響を与え、今なお多くの研究者に引き継がれています。

以上のように、小山昇の生涯は、日本の法学界における重要な一頁を成しており、その業績は今後も語り継がれることでしょう。

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