小島 (愛媛県)

小島（おしま）について

小島は、瀬戸内海の中央部、来島海峡の西側に位置する愛媛県今治市の有人島です。地元では小島が「琵琶」のような形をしていることから、特に親しまれています。この島は、芸予群島を構成する一つの島であり、離島指定を受けています。面積は0.50 km²、周囲は約3 kmです。島内には集落や漁港、船着き場があり、地域の住民は主に漁業や農業を営んでいます。2007年のデータによると、島には21世帯、人口は33人が暮らしています。

小島の歴史

中世以前

小島は長い間無人島として存在していましたが、元禄時代に近隣の来島から8世帯の移住者があり、開拓が始まります。これらの人々は来島村上水軍の末裔とされています。

明治から太平洋戦争まで

19世紀末、東アジアでの緊張が高まる中、日本政府はロシアの海軍の進攻に備え、瀬戸内海への要塞建設を計画しました。陸軍の上原勇作が小沢武雄中将に随行し、1889年に欧州の要塞を視察した後、1892年には瀬戸内の適地を調査しました。1896年から1997年にかけて、芸予諸島の調査が行われ、小島にも砲台が設けられることが決まりました。

芸予要塞の建設が始まったのは1899年で、翌年には完成しました。この要塞は海を守るために設置されたもので、北部には砲台や指揮所が、中部の山頂には発電所が設けられるなど、軍事施設が整備されました。残念ながら、日露戦争に際してはこの要塞は使用されることはありませんでした。

大正時代になると航空機による偵察が一般的となり、海上要塞の重要性が薄れていきました。それに伴い、1922年には砲台が廃止され、1923年には払い下げが許可されました。関係施設は一時的に公園として整備されましたが、太平洋戦争中には再び利用されることはありませんでした。

太平洋戦争後

戦後は食糧生産の必要性から、要塞に関連する多くの施設が壊され、農地などに転用されました。改善された食糧事情の中で、その後の小島は荒れ果てた状態が続きましたが、昭和40年代半ば頃から観光開発の動きが見られ、1970年には今治市が観光計画を策定しました。砲台跡地への道路整備やツバキの植栽などが行われ、地域のボランティア活動も続けられました。

1994年には「風の顔らんど小島」という自然体験施設がオープンしましたが、残念ながら2019年には閉鎖されました。2001年には「芸予要塞・小島砲台跡」が、土木学会選奨土木遺産に指定され、歴史的価値が再確認されました。

交通アクセス

小島へのアクセスは、有限会社くるしまの運行する船を利用して、波止浜から来島を経由し小島まで行くことができます。訪れる人々は、自然や歴史を感じながら、リラックスした時間を過ごすことができるでしょう。

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