小島勇之助

小島勇之助の生涯と業績

小島勇之助（こじま ゆうのすけ、1889年 - 1964年）は、日本の実業家であり、切手収集家としても知られています。彼は松竹キネマなどの企業で重役を務める一方で、切手収集においてもその名を知られています。1925年には日本切手を完全に収集したことを宣言し、名実ともに著名なコレクターとなりました。また、東京帝国大学在学中には陸上競技でも活躍し、その足跡を残しています。

生い立ちと教育

勇之助は東京に生まれました。彼の父は実業家で衆議院議員を務めた山中隣之助であり、幼少期には小島兼美に養子として迎えられました。実兄の山中勇も東京山中銀行の頭取として知られています。勇之助は学習院高等科を経て、東京帝国大学医科大学薬学科に進学しました。在学中には陸上競技に力を入れ、1911年には東京大学運動会で100m走で優勝。さらに、同年にはストックホルムオリンピックの予選会に出場し、棒高跳びでは当時の日本記録を樹立しました。また、1913年には第1回日本陸上競技選手権大会で400m走のタイトルも手に入れています。

実業家としてのキャリア

1913年の東京帝国大学卒業後、勇之助は東京山中銀行やスタンダード運動具、帝国電化、大阪舎密工業、松竹キネマなどで重役を歴任し、実業界での地位を確立しました。1920年には京都市上京区に移り住み、戦後はそこに建てた住居で静かな余生を過ごしました。

郵趣家としての評判

小島勇之助は郵趣家としても非常に高く評価されています。福井和雄は彼を「日本最高の切手収集家」と位置づけ、「小島を上回る人物はいない」と述べています。当時の収集方法と異なり、彼のコレクションは今なお注目されています。特に大正時代に活躍した藤尾鷲三のコレクションを一括購入し、さらにデュヴィーン・コレクションを入手したことは、その実力を物語っています。1925年には、日本切手を「一葉の欠品もなく」蒐集したと自己紹介し、彼のコレクションの質と量は圧倒的でした。

コレクターとしての態度と交流

小島はコレクションに対して非常に厳正な姿勢を持っていました。一方で、彼は自らが率いる日本愛郵協会を通じて、1940年には「切手祭典」を開催し、多くの郵趣家との親睦を深めました。この祭典は戦後の1945年も含め、1956年まで毎年続けられました。

最後に

小島勇之助の存在は、日本の郵趣の歴史において忘れられない人物です。彼の熱意と努力は、切手収集の発展に大きく寄与しました。彼が残した業績や人となりは、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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