小島康史

小島康史氏は1962年、岐阜県生まれの映像作家である。現在、日本文理大学教授として後進の育成にも力を注いでいる。

彼のキャリアは、西武百貨店での勤務から始まる。しかし、入社日に観た今村昌平監督の映画『楢山節考』に衝撃を受け、わずか1年で退社。その後、日本映画学校（現・日本映画大学）に入学する決断を下す。同校では監督コース、ドキュメンタリー専科を修了。在学中は武田一成監督に師事し、2時間ドラマ『火曜サスペンス・霊感を売る女たち』でスタッフとしてデビューした。

在学中の1987年には、監督作品『瞼の紙芝居節』がヒロシマ国際アマチュア映画祭で優秀賞を受賞。続く卒業制作『らせんの素描・牙子編』は、映画監督の武重邦夫氏の目に留まり、師事する機会を得る。この出会いをきっかけに、3年の歳月をかけて制作された劇場用ドキュメンタリー映画『らせんの素描』は、日本初の男性同性愛を描いた作品として高い評価を受け、世界各国の映画祭から招待が殺到した。

日本映画学校卒業後は、ドキュメンタリー映画制作を中心に、テレビ番組、CM、プロモーションビデオ、広報ビデオなど、多様なジャンルの映像制作を手がけるようになる。その活動は、商業作品にとどまらず、教育や社会貢献にも及ぶ。1995年から2009年までは日本映画学校で専任講師を務め、その後も日本大学、浜松大学などで教鞭を執り、2016年から現職である日本文理大学教授に就任している。

小島氏の作品は、数々の国際映画祭で上映され、高い評価を受けている。代表作『らせんの素描』以外にも、『JAPAN'S RALLWAY』、『ステンドグラス』など、多くの作品が国内外で上映され、高い評価を得ている。彼は、単なる映像作家ではなく、教育者、社会貢献者としても活躍する多様な才能を持つ人物と言える。

彼の作品リストは多岐に渡り、ドキュメンタリー、企業VP、教育番組など、ジャンルを問わず幅広い制作実績を誇る。具体的には『瞼の紙芝居節』（1987年）、『らせんの素描』（1991年）、『福本耕平かく走りき』（1992年 プロデュース）、『JAPAN'S RALLWAY』（1993年）、『あの人のために』（1994年 プロデュース）、『ステンドグラス』（1995年）、『明日のアジアとシネマ』（1996年 構成）、『古武術・体術』（1996年）、『きのこはバイオの力』（1997年）、『国際ペア囲碁大会』（1997年）、『健康の秘訣はごはん食・講義編』（1998年）、『健康の秘訣はごはん食・料理編』（1998年）、『健康長寿は日本型食生活から』（1999年）、『地域に広がる長寿食の知恵』（1999年）、『川崎21世紀〜カウントダウンイベント』（2000年）、『JA改革の実践とリーダーシップ JA南すおうの改革』（2001年）、『何のための改革か JA愛知東の改革』（2001年）、『日本農業新聞』（2002年）、『組合員組織の活性化とリーダーシップ JA松本ハイランドの改革』（2002年）、『棋士・藤沢秀行の世界』（2003年）、『大都市にあり農の心を忘れずに JA福岡市の改革』（2003年）、『何をすべきか、また何ができるか JAとぴあ浜松の改革』（2004年）、『私たちのJA III』（2004年）、『地域に同化する JA十日町の改革』（2005年）、『小さな書家 金澤翔子の世界』（2005年）、『小さなJA 大きな貢献 JA相馬村の改革』（2006年）、『めっけもん広場を核にして JA南紀の里の改革』（2007年）、『オリエンタル・グリーン』（2008年）、『遊行舎公演・しんとく丸』（2009年 映像制作総指揮）、『柳田泰山・楷書千字文』（2010年）、『ファーマーズマーケットが守る食と農業』（2011年 制作統括）、『教えます、振込み詐欺の手口！』（2012年 制作統括）、『羽ばたけドラ１☆鈴木翔太選手の素顔』（2013年）、『拡がる病児のきょうだい支援』（2014年）、『西湖山　龍雲寺』（2014年）、『金澤翔子・仏の書』（2015年）、『金澤翔子・感謝の書』（2017年）など多岐に渡る。

小島康史氏は、映像制作における卓越した技術と、教育者としての熱意を兼ね備えた稀有な存在と言えるだろう。彼の今後の活動から目が離せない。

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