小島誠志

小島 誠志

1940年に生まれた小島誠志氏は、日本のプロテスタント主要教団である日本基督教団に属する牧師です。長年にわたり牧会活動に従事し、教団内での信頼を培ってきました。

日本基督教団総会議長として

小島氏は、教団内において「教会派」と呼ばれるグループからの推薦を受け、1996年に日本基督教団の最高執行機関である総会の議長に選出されました。以降、2002年までの6年間、合計3期にわたりこの重責を担いました。総会議長は、教団全体の運営を統括し、内外に対する教団の公式な見解を表明する立場にあります。

議長在任中、小島氏には教団が直面する様々な問題や、社会的な出来事に対する対応が求められました。

議長時代の主な取り組みと声明

特に注目されるのは、教会運営や社会情勢に関する複数の判断や声明です。1998年3月には、教団内で長らく議論となっていた同性愛者の牧師資格認定について、その認定を承認するという判断を下しました。これは、教団の歴史の中でも画期的な出来事の一つとして位置づけられています。

また、国際社会の緊張が高まる中で、平和主義を標榜するキリスト教団の立場を明確にしました。2001年10月9日には、アメリカ同時多発テロ事件の発生を受けて、米国と英国が開始した武力による対抗措置に対し、反対する見解を表明する声明を発表しました。この声明は、武力解決ではなく平和的な手段による問題解決を求める教団の姿勢を示すものでした。

さらに、国内の政治的な問題にも言及しました。2001年7月22日、当時の内閣総理大臣であった小泉純一郎氏の靖国神社参拝に対し、同様に反対する声明を発表しました。この声明は、信教の自由や政教分離といった憲法上の原則に基づき、特定の宗教施設への公的立場の人物の参拝に懸念を示すものでした。

総会議長として、教団の活動の根幹である伝道についても重要な方針を打ち出しました。具体的には、「伝道の使命に全力を尽くすこと」と「若い世代への伝道に特に力を注ぐこと」という二つの伝道に関する決議を推進し、教団全体として伝道活動をより積極的に展開していく方向性を示しました。これらの決議は、現代社会における伝道のあり方を再確認し、将来にわたる教団の発展を目指すものでした。

退任後の活動

2002年に総会議長を退任した後も、小島氏は牧師としての歩みを止めることなく、精力的に活動を続けています。現在は、日本基督教団松山番町教会の牧師を務める傍ら、自ら「日本伝道会」という新たな組織を設立し、伝道活動を展開しています。これは、議長時代に推進した伝道への情熱が、公職を離れた後も衰えることなく続いていることを示しています。

小島誠志氏の生涯は、牧師として、また教団のリーダーとして、信仰に基づき社会や教団の課題に向き合い、伝道の使命に献身した軌跡と言えるでしょう。

著書

『牧師室の窓から』（2008年、日本キリスト教団出版局）
『喜びも、悲しみも』（2007年、教文館）
『疲れたものに力を』（2006年、教文館）
『夜も昼のように』（2006年、教文館）
『神の庭にやすらう』（2005年、教文館）
『愛に根ざして生きる』（2004年、教文館）
『神の朝に向かって』（2003年、教文館）
『わかりやすい教理』（1989年、日本キリスト教団出版局）

参考文献として、『わかりやすい教理』が挙げられます。

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