小川三夫

小川 三夫: 宮大工の巨星

小川三夫（おがわみつお）は、1947年生まれの日本の宮大工で、特に寺社建築における権威として知られています。彼は「鵤工舎」という建設会社を設立し、伝統的な技術の継承と弟子の育成に情熱を注いでいます。小川は、名棟梁としても知られる西岡常一の唯一の内弟子であり、その教えを受け継いでいます。

来歴

小川は栃木県矢板市で生まれ育ちました。学生時代の修学旅行で訪れた法隆寺の五重塔に感銘を受けた彼は、建築の道に進むことを決めました。高校卒業後、彼は法隆寺の宮大工である西岡常一の弟子となることを望みましたが、当初は門前払いされることになります。仕方なく仏壇の製作などで経験を積んだ後、22歳の時にようやく西岡の内弟子として認められました。

西岡棟梁は小川のことを「たった一人の弟子であるけれども、私の魂を受け継いでくれていると思います」と評するほど、彼の才能を高く評価していました。小川は西岡のもとで、法輪寺三重塔や薬師寺の金堂、西塔などの重要な寺院建築に副棟梁として携わりました。この経験を通じて、彼は日本の伝統的な木造建築技術を深く理解し、重要なスキルを磨きました。

1997年には、寺社建築専門の「鵤工舎」を設立します。この会社は徒弟制度に基づいた教育システムを採用し、後進の育成に力を入れています。小川は全国各地の寺院の改修や再建、新築などのプロジェクトに取り組んでおり、伝統的な技術の保存と発展に寄与しています。

著書

小川はその技術や経験をもとに、多くの著作を残しています。代表作には、『木のいのち木のこころ』シリーズ（共著：西岡常一、塩野米松）、『不揃いの木を組む』、および『棟梁 〜技を伝え、人を育てる〜』があります。これらの著作は、彼の木材に対する思いと技術への献身を表しており、多くの読者に感動を与えています。

人物像

小川三夫は、木と共に生きる姿勢を貫き、伝統文化の維持に尽力する人物です。彼の技術と情熱は、弟子たちにも影響を与え続けており、日本の宮大工業界において重要な存在であり続けています。彼の活動や著作を通じて、今後も多くの人々にその魅力が伝わり続けることでしょう。

外部リンク

彼の活動についてさらに詳しく知りたい方は、ほぼ日刊イトイ新聞でのインタビュー記事をご覧ください。小川三夫が人生を木と過ごしてきた軌跡について触れています。

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