小川洋

小川洋の生涯：官僚から福岡県知事へ

小川洋（おがわ ひろし）は、1949年5月17日に福岡県福岡市早良区で生まれ、2021年11月2日に72歳で亡くなった日本の官僚、政治家です。

生い立ちと官僚時代

福岡市立西新小学校、百道中学校、福岡県立修猷館高等学校を経て、1973年に京都大学法学部を卒業。同年、通商産業省（現経済産業省）に入省しました。同期には、後に経済産業事務次官を務めた望月晴文や、同じく特許庁長官となった鈴木隆史がいました。

小川は、通産省内で様々な要職を歴任。1987年には外務省経済協力開発機構日本政府代表部一等書記官、1999年には近畿通商産業局長を務めるなど、幅広い分野で活躍しました。2004年には特許庁長官に就任し、2005年に退官。

政治家への転身

退官後、三井住友海上火災保険顧問を経て、2006年11月に内閣官房知的財産戦略推進事務局長に就任。2007年11月には内閣広報官に就任し、福田内閣、麻生内閣、鳩山内閣、菅内閣と、4つの内閣でその任を務めました。この間、政府の広報活動を担い、政策の円滑な実施に貢献しました。

2011年、小川は福岡県知事選挙への立候補を表明し、自民党、民主党、公明党、社民党、国民新党など幅広い政党の支援を受け初当選。選挙戦では特定政党の支援を受けず「県民党」を標榜しました。2015年、2019年の知事選でも再選を果たし、3期12年にわたり福岡県知事を務めました。

福岡県知事としての実績と政策

福岡県知事として、小川は様々な政策に取り組みました。特に、県内経済の活性化や雇用創出に注力。また、県民生活の向上や福祉の充実にも力を入れました。

2016年の朝鮮学校補助金に関する質問では、福岡県が過去に北九州市からの二重補助金受領問題後も補助金を継続していることを明らかにしました。また、九州への統合型リゾート（IR）誘致については、北九州市への誘致を視野に入れつつ、県全体での議論を促す姿勢を示しました。

晩年と逝去

2020年12月に体調を崩し、九州大学病院に入院。2021年2月には「原発性肺腺がん」と診断されました。治療に専念するため、同年3月24日に福岡県知事を辞職。後任には副知事だった服部誠太郎が就任しました。同年11月2日、肺腺がんのため逝去。72歳でした。

死没日をもって正四位に叙され、旭日重光章が追贈されました。

略歴

1973年4月 - 通商産業省入省
1987年4月 - 外務省経済協力開発機構日本政府代表部一等書記官
1990年1月 - 同参事官
1990年6月 - 中小企業庁計画部振興課長
1991年6月 - 産業政策局消費経済課長
1994年7月 - 基礎産業局鉄鋼業務課長
1996年7月 - 通産大臣官房企画室長
1997年7月 - 産業政策局商政課長
1998年6月 - 資源エネルギー庁長官官房総務課長
1999年9月 - 近畿通商産業局長
2001年1月 - 内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付）
2002年6月 - 食品安全委員会（仮称）設立等準備室長に併任
2003年7月 - 産業技術環境局長
2004年6月 - 特許庁長官
2005年9月 - 退官
2005年11月 - 三井住友海上火災保険顧問
2006年11月 - 内閣官房知的財産戦略推進事務局長
2007年11月 - 内閣広報官
2010年8月 - 内閣広報官を退任
2011年4月10日 - 福岡県知事選挙に初当選
2011年4月25日 - 福岡県知事に就任
2015年4月12日 - 福岡県知事に再選
2019年4月7日 - 福岡県知事3選
2021年3月24日 - 福岡県知事辞職
* 2021年11月2日 - 死去

小川洋は、官僚、政治家として、日本の発展に貢献しました。その多岐にわたる経歴と、福岡県知事としての実績は、多くの人々に記憶されるでしょう。

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