小林一喜

小林一喜（こばやし かずよし）

プロフィール

小林一喜は、1934年4月10日に栃木県で生まれ、1991年2月19日に亡くなった日本のジャーナリストです。朝日新聞の編集委員を務める傍ら、テレビ朝日「ニュースステーション」のコメンテーターとしても活躍しました。その温厚な人柄と、鋭い視点からのコメントは、多くの視聴者に支持されました。

キャリア

朝日新聞社では、編集委員として長年活躍しました。そのジャーナリストとしての豊富な経験と知識が、「ニュースステーション」のコメンテーターとしての活躍につながりました。

ニュースステーションでの活躍

小林一喜が「ニュースステーション」のコメンテーターに選ばれた背景には、テレビ朝日の小田久栄門の存在がありました。小田は、番組のスタートにあたり、久米宏の軽妙な語り口とバランスが取れる、重厚感のあるコメンテーターを探していました。朝日新聞社社長の中江利忠から複数の候補者の情報を得た後、小田は実際に朝日新聞の編集室に足を運び、小林の人物像を確かめました。そして、彼の穏やかな人柄、的確で簡潔なコメント、そして何よりも、その温厚な人柄に魅力を感じ、小林をコメンテーターに推薦しました。

小林は、「ピンキーさん」という愛称で親しまれ、久米宏からは「こばやしいっきさん」と呼ばれていました。番組初期の視聴率が低迷していた時期には、深夜の飲み会で「いや、圧勝、圧勝」と発言し、若いスタッフを励ましたというエピソードがあります。その楽観的でポジティブな姿勢は、番組を支える大きな力となりました。

番組プロデューサーの小田久栄門は、小林の死後、彼の代わりとなる人物を起用しましたが、小林の存在の大きさを改めて感じたと述べています。小林の温かい人柄と、番組への貢献は、多くの人々の記憶に残っています。

著書

『テムズの川霧が消えた』朝日新聞社、1991年4月。
『テムズの川霧が消えた』朝日文庫、1992年9月。

参考文献

嶌信彦『メディア 影の権力者たち』講談社、1995年4月。
小田久栄門『テレビ戦争勝組の掟 仕掛人のメディア構造改革論』同朋舎、2001年12月。

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