小林万桜

小林万桜（こばやしまお）さんは、1992年 1月12日に東京都で誕生した日本の元グラビアアイドル、そして女優です。活動においては、斎藤朝美や小林朝美といった別名義を用いることもありました。幼少期から様々な分野で才能を発揮し、注目を集めました。

彼女の芸能界での歩みは、わずか6歳で女優として始まったことに遡ります。特に大きな転機となったのは、2004年、12歳の時でした。写真家・会田我路氏とのコラボレーションによる作品群が発表され、いわゆるジュニアアイドルとして広く認知されるようになります。この時期の作品は、その年齢にしては挑戦的な水着姿が収められているとして、話題を呼びました。また、同時期に日美野梓さんと共に「きゃぴきゃぴ」というアイドルユニットを結成し、活動を行いました。

さらに、2004年から2005年にかけては、著名なギタリストである高見沢俊彦さんがプロデュースしたアイドルユニット「Doll's Vox」に参加。音楽活動にも積極的に取り組みました。2006年には、テレビ神奈川（tvk）の番組と音楽雑誌の合同企画から誕生した5人組グループ「桜（もも）mint's」の一員となりますが、学業への専念や将来的な活動の方向性などを理由に、同年11月をもってグループを離れています。このほか、小中学生で構成された「Kiss！い・も・う・と Club.」のメンバーとしても活動しました。音楽面では、2006年12月20日にはアニメや美少女ゲームの楽曲をカバーしたアルバム『萌トリビュート』をリリースしています。

女優としては、子役時代から数多くのテレビドラマに出演しました。『ほんとにあった怖い話』、『仮面ライダー龍騎』、『忍風戦隊ハリケンジャー』といった人気シリーズにゲスト出演したほか、読売テレビの『稲川淳二の怪奇事件簿2』では主演を務めました。また、NHK教育テレビの子供向け番組『虹色定期便』にレギュラー出演したり、『天才てれびくんMAX』に出演したりするなど、幅広い層に向けた作品に関わっています。

テレビ番組では、幼少期に『けんたろうとミクのワイワイキッズ』に「ともぴー」として出演した経験を持ちます。ジュニアアイドル時代には、アイドル番組や情報バラエティにも多数出演し、中には『小・中学生限定美少女学園』で司会を担当するなど、タレントとしての多様な一面を見せました。映画出演としては、邦画ホラーの金字塔『呪怨』（2003年公開版）や『制服サバイガール』があります。オリジナルビデオ作品にも意欲的に出演し、『聖少女戦士St.ヴァルキリー』や『いじめ中学生アイの羽』などで主演を務めました。2011年には舞台『ロイヤルホ☆ト2011』にも出演するなど、活動の場を選ばない柔軟さを持っていました。ゲーム『COOL COOL TOON』ではキャラクターボイスを担当し、声優としての才能も披露しています。

グラビア活動は、彼女のキャリアにおいて特に印象的な分野の一つです。2004年頃から多くのイメージDVDや写真集をリリースし、成長していく姿を記録しました。会田我路氏撮影の『万桜12歳』や、その後の『万桜13歳』、『万桜14歳』といったタイトルシリーズは特に知られています。これらの作品を通じて、ジュニアアイドルからティーン、そして大人へと変化していく過程が捉えられ、当時のグラビアシーンで注目を集めました。

人物像に迫ると、学業では国語と体育が好きだった一方で、他の科目は少し苦手だったと語っています。多趣味で、特技には琉球太鼓、ボクシング、スイミングを挙げ、趣味として小説や詩を書くこと、歌うことを楽しんでいました。さらに驚くべきは、乗馬技能認定5級、日本パラグライダー協会ベーシックパイロット技能証、そしてPADIの複数のダイバーライセンス（オープン・ウォーター、アドヴァンスド、レスキューなど）を取得している点です。インドア・アウトドア問わず、様々なことに積極的にチャレンジするアクティブな一面も持っていました。

表現の幅を広げる試みとして、2010年には朗読イベントにも参加しています。しかし、2012年 3月19日、自身の公式ブログを通じて、芸能活動を休止することを発表しました。

小林万桜さんは、幼い頃から女優としてスタートし、ジュニアアイドルとして一時代を築き、その後もアイドルユニット、テレビ、映画、舞台、グラビア、声優と、非常に多岐にわたる活動を展開しました。短期間の活動ではありましたが、その多彩なキャリアと挑戦的な姿勢は、当時のエンターテインメントシーンにおいて異彩を放っていました。

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