小林安茂

小林 安茂（こばやし やすしげ）

1927年生まれの日本の地方公務員であり、造園家としても知られています。東京都に生まれ、東京の豊かな自然環境や都市空間の整備に深く関わるキャリアを歩みました。

学歴

三重農林専門学校林科（現在の三重大学生物資源学部に相当）を卒業し、造園や緑地に関する専門知識を修得しました。この教育背景が、その後の東京都における公園緑地行政での活動の基盤となりました。

職歴

卒業後は東京都に入庁し、長年にわたり公園緑地関連の部署で重要な役割を果たしました。具体的には、東京都公園緑地部において都市公園課長、さらには部長を務め、東京の都市公園の計画、整備、管理運営に深く関与しました。

公務員としての勤務を終えた後も、その豊富な知識と経験を活かし、東京都公園協会において常務理事や参与として活動を続けました。これらの役職を通じて、都民の憩いの場である公園緑地の質の向上と普及に貢献しました。

受賞

長年にわたる公園緑地分野への顕著な貢献が認められ、1989年には第11回日本公園緑地協会北村賞が贈られました。この賞は、日本の公園緑地の向上発展に特に功績があった人物に授与される栄誉ある賞であり、小林氏の業績が高く評価されたことを示しています。

主な著作

造園や公園に関する専門書や解説書の執筆にも積極的に取り組みました。主な共著書として、以下のようなものがあります。

『造園ハンドブック』
『造園実務集成』（技報堂）：造園の実務に関する総合的な内容を扱う書籍です。
『造園施工管理』（日本公園緑地協会）：造園工事の施工管理について解説した専門書です。
『上野公園』：東京都公園協会から＜東京都公園文庫＞の一つとして刊行されています。元は1980年に郷学舎から刊行され、同年中に東京都公園協会より再刊。その後も参考文献として利用されるなど、上野公園に関する重要な文献の一つとなっています。
* 『林試の森公園』（中島宏との共著）：1996年に東京都公園協会の＜東京都公園文庫＞として出版されました。中島宏氏とともに、林試の森公園の歴史や魅力について解説しています。

これらの著作は、造園の技術者や研究者、公園に関心を持つ人々にとって、実践的な知識や具体的な公園事例を学ぶ上で貴重な資料となっています。

小林安茂氏は、東京都の公園緑地行政における要職を歴任し、実務の第一線で活躍するとともに、専門知識を共有するための著作活動も行うなど、多方面から日本の都市公園と造園分野の発展に寄与しました。その功績は、受賞歴や後世に残る著作として顕彰されています。

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