小林達雄

小林達雄（こばやし たつお）

小林達雄氏は、1937年11月2日に新潟県長岡市で生まれ、日本の考古学界を代表する研究者の一人です。國學院大學文学部を卒業後、同大学院博士課程を満期退学し、考古学研究の道へと進みました。

経歴

小林氏は、東京都教育庁文化課での勤務を経て、文化庁文化財調査官に転任しました。その後、1978年に國學院大學文学部助教授となり、1985年には教授に昇格しました。1994年には、長年の研究成果をまとめた学位論文『縄文土器の研究』で博士号を取得。2008年に國學院大學を定年退任し、名誉教授の称号を得ました。2023年には、その学術的な業績が認められ、アメリカ芸術科学アカデミーの会員に選出されました。

研究活動

小林氏の専門は、縄文時代の土器研究であり、特に土器の編年研究において数多くの業績を上げています。縄文土器の形式や文様、製作技術などを詳細に分析し、縄文文化の変遷を解明する上で重要な貢献をしました。また、縄文時代の社会構造や文化、人々の生活様式についても考察を深め、考古学研究の発展に尽力しました。

社会貢献

小林氏は、研究活動に加えて、社会的な活動にも積極的に関わってきました。1998年からは新潟県企画調整部参与、2000年からは新潟県環境生活部参与を務め、2000年8月には新潟県立歴史博物館の館長に就任しました。博物館運営にも携わり、考古学の普及にも貢献しています。

主な著作

小林氏は、数多くの著書や論文を発表しており、その研究成果は広く社会に共有されています。主な著作として、以下のようなものがあります。

『日本陶磁全集 3　土偶・埴輪』(共編著)
『日本原始美術大系I 縄文土器』
『図説発掘が語る日本史 第2巻 関東・甲信越編』(共編著)
『古代史復元 3　縄文人の道具』
『縄文土器大観』(編著)
『新版古代の日本 第7巻　中部』(共編)
『縄文時代における自然の社会化』(編)
『最新縄文学の世界』(編著)
『縄文土器の編年と社会』(編)
『世界史のなかの縄文 対論』
『縄文ランドスケープ』(編著)
『火炎土器の研究』(編)
『古代翡翠文化の謎を探る』(編)
『考古学ハンドブック』(編)
『土器の考古学』(共著)
『総覧縄文土器 小林達雄先生古稀記念企画』
* 『世界遺産縄文遺跡』(編著)

これらの著作は、縄文文化の研究に不可欠な文献として、多くの研究者や学生に利用されています。

まとめ

小林達雄氏は、日本の考古学、特に縄文土器研究において、多大な功績を残した研究者です。教育者、博物館館長としても活躍し、多くの人々に考古学の魅力を伝えてきました。その研究成果は、学術界だけでなく、広く社会に貢献しており、今後の考古学研究の発展においても重要な存在と言えるでしょう。

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