小樽三角市場

小樽三角市場

小樽三角市場は、北海道小樽市稲穂に位置する市場で、正式名称は「小樽駅前市場」です。JR小樽駅に近接しているため、観光客にとって非常に便利な立地です。新鮮な魚介類が豊富に揃い、海鮮丼や定食を提供する飲食店も充実しており、多くの人々で賑わっています。

歴史

三角市場の起源は、戦後の1948年頃に小樽駅前に続く小径に現れた数点の露店であると言われています。1950年代には、「ガンガン部隊」と呼ばれる魚介類の行商人が各地から集まり、市場の発展を支えました。彼らがまず得意客となり、その後、価格の手頃さから地元客も集まるようになり、朝市として発展しました。

1950年代後半から1960年代にかけては、小樽の地場産業の発展に伴い人口が急増し、市場も変化を遂げました。魚卸問屋から一般市民向けの小売店へと移行し、魚屋だけでなく、様々な食料品店や雑貨店などが参入しました。1957年には市場の屋根が完成し、1962年には小樽駅前市場協同組合が設立されました。同年には、近隣の事業家が「三角マーケット」を増設し、市場はさらに拡大しました。

転換期と現在

時代の流れとともに、市場は一般市民を対象とした小売りへとシフトしていきました。しかし、小樽駅前にスーパーマーケットやデパートが出店したことで売上が減少し、一つの転機を迎えます。バブル景気時にはカニブームが起こり、新鮮なカニを求める観光客が増加しました。これに応えるため、多くの鮮魚店がカニの取り扱いを始め、地方発送や茹でたてのカニを提供するなど、新たなサービスを展開しました。鮮魚店直営の食堂も登場し、食事を楽しめる場を提供するようになりました。

最盛期には、魚介類以外にも、靴や衣料、惣菜店など、50店舗以上が軒を連ねていましたが、1990年代後半から2000年代にかけて、移転や廃業が相次ぎました。2021年時点では、16店舗が営業を続けています。

名称の由来

「三角市場」という名称は通称であり、正式名称は「小樽駅前市場」です。「三角市場」の由来には、「土地と屋根が三角形をしているから」「三角形の土地に露店が集まったから」など、諸説あります。1961年には、市場の裏で殺人事件が発生し、その事件が新聞で大きく報道された際、「三角市場」の名が使用されたため、この名称が定着したと言われています。

特徴

小樽三角市場は、小樽で唯一年中無休で営業している市場です。新鮮な魚介類を手頃な価格で提供しており、地元客だけでなく、観光客も多く訪れます。近年では、アジア圏からの観光客も増えています。

市場内には、新鮮な魚介類を使った海鮮丼や定食を提供する食堂があります。多くの食堂は鮮魚店直営であり、購入した魚を調理してもらうことも可能です。市場の通路が坂道になっているのも特徴的です。

観光地化の進展

小樽駅の隣という立地から、三角市場は観光地化が進んでいます。小樽運河の保存運動が全国的に知られるようになり、小樽が観光地として発展し始めた1980年代から、三角市場にも観光客が訪れるようになりました。1990年代以降は観光客がさらに増加し、地元客が減少する傾向にあります。現在では、カニを中心とした観光客向けの店が多く、土産物を求める客よりも、海鮮丼を食べることを目的とした観光客が増えています。しかし、観光客ばかりが増え、地元客が減少し、生活感の漂う市場の雰囲気を楽しみたい観光客も減少すると危惧する声も上がっています。観光地としての市場か、地元を重視する小樽市民のための市場か、またはその両方を尊重するかのジレンマが存在しています。

アクセス

• - JR小樽駅下車、徒歩1分
• - 北海道中央バス小樽駅前下車、徒歩1分

小樽を訪れた際には、ぜひ三角市場で新鮮な海の幸を味わってみてください。

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