小沢訪中団

小沢訪中団の概要

2009年12月、小沢一郎民主党幹事長を名誉団長とする訪中団が、中華人民共和国を訪問しました。この団体は、143名の民主党議員と483名の一般参加者で構成されており、日中関係史上で最大規模の訪中団とされています。訪問は2006年7月、小沢が中国を訪れた際の合意に基づいて行われ、民主党と中国共産党の定期協議を兼ねていました。

訪問の背景

小沢が民主党代表に就任した際に最初の外遊として行った中国訪問では、胡錦濤国家主席と会談し、日中交流協議機構の設置について合意し、両国の関係強化が期待されていました。2007年の訪問では日中国交正常化35周年を祝い、日中交流協議機構は「大長城計画」との合同訪問を実施しました。

2009年の訪問前には、再度日中交流協議機構が設立され、小沢は「政党間交流の強化」や「日中関係の深化」を目的として人民大会堂で胡主席と会談しました。この時、小沢は日本の参院選について言及し、中国に対する自国の立場を強調しました。

訪問中の重要な会談

訪中団のメンバーとして、小沢は胡主席との会議を通じて日本と中国の友好関係の強化を図り、更に国防に関する懸念も表明しました。12月11日には梁光烈国防相とも会談し、日本国内での中国脅威論に言及した上で、国防の自主防衛を求めました。この会談において、小沢は中国の軍備拡張に対する懸念を伝え、相手国の誤解を解消することを目指しました。

反響と論争

訪中後、多くのメディアや評論家がこの訪問について様々な意見を述べました。香港の鳳凰衛視は「朝貢団」と報じ、石破茂氏は国会議員の振る舞いについて批判しました。また、佐々淳行は「恭順の姿勢」と表現し、小沢が胡主席との会談で自らを「人民解放軍の野戦司令官」と称したことには否定的な見解がもたらされました。

小沢訪中団の意義

産経新聞は、日中の意思疎通を図る上ではこの面会の意義を評価しつつ、中国の一党独裁体制を踏まえた対応の重要性を指摘しました。また、アメリカのダニエル・イノウエ上院議員もこの訪問に対して意外性を持って受け止めており、訪中団の規模が小沢氏の権威を示すものであるとの見解も示しています。

この訪中団には、小沢をはじめとして様々な著名な党員が含まれており、彼らの個別の握手や写真撮影も中国側の要望があった中で、小沢の強い希望によって実現しました。

関連する訪問

過去には、自由民主党と公明党の議員からなる訪中団もあり、ここでも当時の政治的な状況を反映した行動が見られました。こうした訪問は、日中関係の改善や各種問題解決のための重要なきっかけとなることを期待されています。

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