小牧野遺跡

小牧野遺跡

小牧野遺跡は、青森県青森市に位置する縄文時代後期前半の遺跡です。三内丸山遺跡の南に位置し、1995年に国の史跡に指定、2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。遺跡の近くには青森市小牧野遺跡保護センター（縄文の学び舎・小牧野館）があり、出土品や遺跡に関する情報が展示されています。

遺跡の概要

小牧野遺跡は、荒川と入内川に挟まれた標高145mの台地上にあります。古くからその存在は知られていましたが、本格的な調査は1980年代に始まりました。葛西励氏による発掘調査で続縄文時代の遺物が発見され、その後、青森市教育委員会による調査で環状列石、竪穴建物跡、湧水遺構、墓などが発見されました。

環状列石

遺跡の最大の特徴は、直径55mにも及ぶ環状列石です。三重の輪を中心に、一部四重となる弧状列石や直線状列石、直径4mの環状列石などが配置されています。石は荒川から運ばれたと推測され、縦に置かれた石の両脇に平らな石を数段積み重ねるという独特な方法で並べられています。この積み方は「小牧野式」と呼ばれ、全国的にも珍しいものです。配石の中には大型壺形土器（甕棺）も見られます。同様の遺構は三内丸山遺跡でも確認されており、関連性が指摘されています。

土器・石器

土坑墓周辺からは大量の土器が出土しており、本州でありながら続縄文文化に属する土器も見られます。祭祀に使われたと思われる三角形岩版や円形岩版も特徴的です。

湧水遺構

地元に伝わる竜神伝説にまつわる泉が、調査によって発見されました。現在も水が湧き出ています。

墓

墓石らしきものが存在する墓もありますが、それぞれ形状が異なり、個性的な墓が多いのが特徴です。墓道の斜面の上部には環状列石があり、縄文時代にすでに身分制度が存在した可能性も指摘されています。

柱穴

柱の跡と見られる穴が発見されており、何らかの建物が存在していたと考えられています。

アクセス

青森市民バス 大柳辺線「野沢」下車、徒歩20分

関連情報

国指定史跡小牧野遺跡WEBSITE
史跡 小牧野遺跡（青森市公式ホームページ）
あおもりの文化財　小牧野遺跡（青森県庁ホームページ）
縄文の学び舎・小牧野館
* 全国遺跡報告総覧　奈良文化財研究所

小牧野遺跡は、縄文時代の精神文化や社会構造を理解する上で重要な遺跡です。ぜひ一度訪れて、古代の人々の息吹を感じてみてください。

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