小田野柏

小田野 柏（おだの かしわ）

小田野柏は、1917年1月14日に岩手県の二戸郡一戸町に生まれたプロ野球選手で、外野手として著名な存在です。彼は1938年から1942年にかけて、投手としても活動しながら、日本の野球界に多大な影響を与えました。

来歴と人物

小田野は小学校時代から野球に親しみ、全国大会に出場するなどその才能を早くから示していました。後に福岡中学に進学し、ここでの活躍により更なるステップアップを目指しました。福岡中学では、第17回全国中等学校優勝野球大会に出場し、その後は青森営林局や仙台鉄道局でプレーの場を広げます。

1938年、小田野は阪急軍に投手として入団。こうしてプロの世界に足を踏み入れた彼でしたが、1942年には外野手に転向しました。青森営林局時代には著名な投手の沢村栄治と対戦した経験もあり、この時の挑戦が彼自身の成長に繋がったと言えるでしょう。特に、沢村と対戦した際には三球三振に終わり、彼の肩を壊す前の全盛期のピッチングを目の当たりにしています。また、川上哲治がプロ入りして最初に対戦した投手も小田野柏でした。

第二次世界大戦中、彼は軍に召集され、中国に派遣されます。戦後の1946年には社会人野球の豊岡物産に参加し、その翌年の1947年8月3日に行われた第18回都市対抗野球大会の開幕戦では、大日本土木との試合で歴史的な天覧試合が実現しました。この試合で小田野はホームランを放ち、天覧試合で初めてホームランを記録した選手として名を刻むことになります。

プロ野球でのキャリア

1950年、彼は毎日オリオンズにてプロとして再び活躍を始めます。しかし、同年8月には北川桂太郎との交換トレードにより西鉄クリッパースに移籍。その後、1953年には近鉄パールスに移り、5番打者として存在感を発揮しました。1954年には高橋ユニオンズにて6番打者として134試合に出場し、さらなる成績を残します。

1955年には選手兼コーチとして活躍するも、プロ野球のコーチとしての責務よりも政治活動を優先させたことで、監督との関係が悪化し、その年で退団を余儀なくされました。その後の彼の動向はあまり知られていませんが、彼の野球界における影響は決して薄れませんでした。

晩年

小田野柏は、2013年9月に96歳で亡くなりました。彼の野球人生は、数々の歴史的瞬間に彩られており、特に天覧試合での初ホームランは日本の野球史に残る記録とされています。小田野の人生は、スポーツに対する情熱と献身を物語っており、今もなお多くの人々に感銘を与えています。

詳細データ

• - 年度別打撃成績
• - 年度別投手成績

背番号

• - 25 （1938年）
• - 26 （1942年）
• - 9 （1950年 - 同年途中）
• - 2 （1950年途中 - 同年終了）
• - 24 （1951年 - 1952年）
• - 29 （1953年）
• - 28 （1954年）
• - 40 （1955年）

小田野柏の歴史的な役割や功績は、日本の野球界において決して色褪せることはありません。彼の生涯は、挑戦を恐れずに歩み続けたその姿勢が、多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

もう一度検索