小笠原真方

小笠原真方（おがさわら さねかた）は、江戸時代前期から中期にかけての大名であり、豊前国小倉新田藩（千束藩）の初代藩主として知られています。彼は小倉藩主・小笠原忠真の六男として生まれました。

寛文11年（1671年）9月23日、同母兄で小倉藩主であった小笠原忠雄から1万石を分与され、これにより支藩である小倉新田藩を立藩しました。しかし、特筆すべき点として、真方自身は藩政に直接関与することは少なく、家老や本家である小倉藩によって藩政が執り行われていました。さらに、彼は領地である小倉新田藩には赴かず、篠崎館に住んでいたため、人々からは「篠崎殿」と称されていました。

興味深い記述として、『土芥寇讎記』には、本藩である小倉藩の指導のもとで統治が行われているにもかかわらず、真方の領内が良く治まっていることに対して、「不審である」という記述が見られます。これは、本藩である小倉藩の藩政が荒れていた状況とは対照的であり、真方の統治手腕、あるいは家老たちの尽力が領内の安定に貢献していた可能性を示唆しています。

宝永6年（1709年）7月5日、小笠原真方は参勤交代の帰路、船で讃岐国小豆島の坂手浦を航行中に暴風雨に遭遇し、船が遭難するという悲劇に見舞われました。この事故により、彼は溺死しました。享年は58歳でした。彼の死後、小倉新田藩の藩主は、甥で養嗣子であった貞通が継ぐこととなりました。

小笠原真方は、自ら領地を治めることはありませんでしたが、その治世における領内の安定は特筆に値します。彼の生涯は、大名としての役割や藩政のあり方について、様々な考察を促すものと言えるでしょう。

小倉新田藩は千束藩とも呼ばれる。
真方は篠崎殿と称された。
死因は暴風雨による遭難。
跡を継いだのは甥で養嗣子の貞通。

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