小織

小織について

小織（しょうしょく）は、日本の歴史の中で特に注目される冠位の一つで、647年から685年まで使われていました。この冠位は、位階制度において上から数えて2番目の地位に位置し、大織の下、大繡や大縫の上に相当します。今回は、小織の成立背景や特徴について詳しく見ていきましょう。

小織の成立と特徴

小織は、大化3年（647年）に創設された「七色十三階冠」の制度の一部として設けられました。この制度は、日本における階級制度を整えるものであり、さまざまな冠位が制度化されていました。小織を含む冠は、主に織物で作成され、その縁には繡（しゅう）で装飾が施されていました。また、冠にあしらう鈿（うん）は金や銀で作られていたため、その豪華さが特徴的です。

小織の冠位を保持する者は、特に深紫色の衣服を着用することが義務付けられていたことも代々の書物に記されています。深紫色は高貴さを象徴する色であり、そのためこの冠位は格別な地位を示すものでした。

歴史的背景

『日本書紀』には小織に就任した具体的な人物に関する記録はありませんが、斉明天皇7年（662年）に、百済の王子である豊璋に対して織冠が授与されたことが文献に残されています。この記録は、豊璋が持つ冠位の詳細が不明であるため、小織の具体的な名称が付与されたわけではありませんが、当時の冠位制度の重要性を示しています。

小織の廃止

小織は、天武天皇14年の685年1月21日に導入された冠位四十八階の新しい制度によって廃止されました。この新制度では冠位の名称が全面的に見直され、多くの古い冠位が姿を消しました。小織の廃止は、日本の冠位制度における変化を象徴する出来事であり、当時の社会や政治の流れが反映されています。

まとめ

小織は、日本の古代社会において確かな位置づけを有していた冠位の一つであり、その成り立ちや特徴には興味深い点が多く見受けられます。美しい装飾や特定の服装の規定は、当時の地位や役割を明確に示すものであり、現代においてもその影響が文化に残ることを示しています。段階的に変化する冠位制度を通じて、日本の歴史における社会構造や価値観に思いを馳せることは、歴史理解を深める一助になるでしょう。

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