小野正敏

小野正敏氏は、1947年生まれの日本の考古学者、歴史学者です。国立歴史民俗博物館の副館長、福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の特別館長を務めました。専門は日本中世の考古学であり、特に戦国時代の城下町研究において多くの業績を残しています。

略歴

1970年に明治大学文学部を卒業後、1972年に福井県教育庁朝倉氏遺跡調査研究所に勤務し、考古学者としてのキャリアをスタートさせました。この研究所での勤務を通じて、越前一乗谷の調査・研究に深く携わり、戦国時代の城下町の実態解明に貢献しました。

1986年、国立歴史民俗博物館考古研究部の助教授に就任。その後、教授として、日本中世の考古学研究を牽引しました。博物館での研究・教育活動を通じて、多くの研究者を育成し、考古学の発展に尽力しました。

著書

小野正敏氏は、数多くの著書を執筆・編集しています。主な著書として、以下のものが挙げられます。

単著
『戦国城下町の考古学』（講談社、1997年）
戦国時代の城下町を考古学的な視点から分析した著作。城下町の構造や機能、都市生活の実態などを、豊富な発掘調査の成果をもとに解説しています。戦国時代の都市研究における重要な一冊です。

編著
『実像の戦国城下町越前一乗谷』（平凡社、1990年）
越前一乗谷の発掘調査成果をまとめた書籍。一乗谷の歴史や都市構造、生活文化などを詳細に解説しています。
『図解・日本の中世遺跡』（東京大学出版会、2001年）
日本の中世遺跡を網羅的に解説した図解書。遺跡の種類や構造、発掘調査の成果などを、豊富な図版とともに紹介しています。
『戦国時代の考古学』（高志書店、2003年）
戦国時代の考古学研究の成果をまとめた書籍。城郭や城下町、寺社などの遺跡を中心に、戦国時代の社会や文化を考察しています。
『中世の系譜』（高志書店、2004年）
中世の歴史と文化を多角的に考察した論文集。政治、経済、社会、文化など、様々な側面から中世の歴史を捉えています。
『モノとココロの資料学』（高志書店、2005年）
考古資料を読み解くための方法論を提示した書籍。考古資料の分析を通じて、人々の生活や文化、精神性を探求しています。
『中世の伊豆・駿河・遠江』（高志書店、2005年）
中世の伊豆・駿河・遠江地域の歴史と文化を解説した書籍。地域の特性や歴史的背景を詳細に分析しています。
『鎌倉時代の考古学』（高志書店、2006年）
鎌倉時代の考古学研究の成果をまとめた書籍。鎌倉時代の遺跡や遺物を通じて、社会や文化を考察しています。
『中世の対外交流』（高志書店、2006年）
中世の日本と海外との交流について考察した書籍。貿易や文化交流の実態を解明しています。
『歴史考古学大辞典』（吉川弘文館、2007年）
歴史考古学に関する用語を網羅的に解説した辞典。歴史考古学の研究に不可欠な一冊です。
* 『中世寺院 暴力と景観』（高志書店、2007年）
中世寺院の暴力と景観をテーマにした書籍。寺院の権力構造や社会との関係を考察しています。

小野正敏氏の研究は、考古学のみならず、歴史学、文化史など、関連分野の研究者にも大きな影響を与えています。その業績は、日本の歴史研究における重要な貢献として高く評価されています。

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