小野沢静夫

小野沢静夫（おのざわ しずお）氏は、1921年（大正10年）10月10日、長野県下高井郡下木島村（現飯山市）に生まれました。旧制飯山中学（現長野県飯山高等学校）卒業後、青年団活動に積極的に関わり、木島連合青年団長や自民党長野県連青年部副部長などを歴任しました。

戦後の地域社会において、小野沢氏は青年団運動の中心人物として活躍しました。その活動は、飯山南高校や飯山北高校のPTA副会長、木島消防団長、飯山市農業委員会委員といった要職への就任にも繋がっています。これらの活動を通じ、地域住民からの信頼を厚く築き上げていきました。

地域社会への貢献を積み重ねた小野沢氏は、1962年（昭和37年）12月、飯山市議会議員選挙に出馬し当選を果たします。市議会議員として手腕を発揮し、議長職にも就きました。議会での経験は、後の市長としての活動に大きな礎となりました。

1978年（昭和53年）9月、小野沢氏は飯山市長選挙に立候補し、見事当選を果たします。市長在任中は、3期に渡り、飯山市政を率いました。その間、地域の活性化と発展のために尽力し、数々の実績を残しました。特に、当時整備が進められていた北陸新幹線において、飯山市への新駅誘致に尽力したことは特筆に値します。

また、小野沢氏は、和紙や仏壇といった飯山市を代表する伝統産業の振興にも力を注ぎました。伝統産業会館の建設を推進し、これらの産業の継承と発展に大きく貢献しました。これらの取り組みは、飯山市の経済活性化に大きく寄与し、地域の繁栄に繋がるものとなりました。

市長としての職務に加え、小野沢氏は飯山市農業協同組合においても重要な役割を担っていました。専務理事、副組合長を務め、農業振興にも貢献しました。市長としての行政経験と農業協同組合での経験を活かし、飯山市の地域経済発展に多角的に貢献しました。

1992年（平成3年）には、長年にわたる功績が認められ、勲四等旭日小綬章を受章しました。これは、小野沢氏の地域社会への貢献が国家レベルでも高く評価された証と言えます。

1999年（平成11年）5月6日、小野沢静夫氏は逝去しました。しかし、その功績は、現在も飯山市に深く刻み込まれています。晩年には、『追憶の市長室：いま、任終えて』（銀河書房、1991年）を出版し、市長としての経験や想いを後世に伝えました。この本は、小野沢氏の足跡を辿る上で貴重な資料となっています。

小野沢静夫氏の生涯は、地域社会の発展に尽くした政治家の模範と言えるでしょう。青年団活動から始まり、市議会議員、そして市長として、常に地域社会のために活動し続けました。その献身的な姿勢は、後世の人々にとって大きな示唆を与え続けています。彼の功績は、飯山市のみならず、長野県の歴史においても重要なものとして記憶されています。

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