小針崇宏

小針 崇宏（こばり たかひろ）

1983年6月22日生まれ、栃木県宇都宮市出身の高校野球指導者。現在は母校である作新学院高等学校の保健体育科教諭を務めながら、硬式野球部を率いている。

幼少期から学生時代

1983年に宇都宮市で生を受けた小針崇宏氏は、4歳上の兄が野球をしていた影響から、小学2年生で白球を追い始めた。地元の宇都宮市立陽西中学校でも野球部に所属し、プレーを続けた。

高校は地元の強豪、作新学院高等部へ進学。内野手として硬式野球部に所属し、2年生だった2000年春には、第72回選抜高等学校野球大会に出場を果たし、チームのベスト8進出に貢献した。3年生時には主将を務めチームを牽引したが、夏の全国高等学校野球選手権大会の県予選では惜しくも敗退を喫した。

高校卒業後、2002年4月に筑波大学体育専門学群へ進学。大学でも野球部に入部し、1年生の春季リーグ戦から怪我をした先輩の代役として出場機会を得て注目され、そのままレギュラーに定着した。4年時には主将としてチームをまとめ上げた。

指導者への道、そして母校の指揮官に

大学を卒業後、2006年4月に母校である作新学院へ保健体育科教諭として着任。同時に硬式野球部のコーチを務めることとなった。そして、同年9月1日には、長年チームを率いた恩師である大塚孝氏の勇退に伴い、硬式野球部監督という重責を担うことになった。

監督としての輝かしい実績

監督就任以来、小針監督はチームを着実に強化していく。2009年には、作新学院を31年ぶりとなる夏の甲子園出場へと導いた。これは、長く遠ざかっていた聖地への扉を再び開いた快挙であった。

さらに、2011年から2021年にかけては、夏の栃木大会で前人未到の10連覇という偉業を達成。栃木県の高校野球界において、圧倒的な強さを示す時代を築き上げた。

そして、監督就任10年目にあたる2016年には、第98回全国高等学校野球選手権大会に出場。快進撃を続け、作新学院を実に54年ぶりとなる全国制覇へと導いた。これは、同校にとって春・夏通じて初の単独優勝であり、小針監督の手腕が全国に知られることとなった。

2025年春現在、甲子園での通算成績は以下の通りである。

春の選抜高等学校野球大会：出場4回、4勝4敗、勝率.500、優勝0回
夏の全国高等学校野球選手権大会：出場11回、17勝10敗、勝率.629、優勝1回
* 通算：出場15回、21勝14敗、勝率.600、優勝1回

プロ野球界へ輩出した選手

小針監督の指導のもと、多くの選手が成長し、プロ野球へとその才能を羽ばたかせている。主な選手としては、松崎啄也、石井一成、今井達也、入江大生らが挙げられる。これらの選手たちの活躍は、小針監督の育成手腕の高さを示すものである。

母校を率いて数々の栄光を掴み、栃木県の高校野球を牽引する小針崇宏監督の今後の活躍にも注目が集まる。

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