小高泰雄

小高 泰雄 (こだか やすお)

人物・来歴

小高泰雄は1901年3月25日に神奈川県横浜市に生まれました。1928年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、翌1929年には助手として大学に残りました。その後、彼は欧米へ留学をし、経営学や会計学の先進的な理論を学びました。1937年には助教授に昇進し、1939年には教授に就任します。

1948年、小高は「企業に於ける資本計算制度の発展」によって経済学博士の学位を取得しました。その後、1963年に商学部長に就任し、多くの後進の指導に尽力しました。1969年、彼は定年を迎え、名誉教授の称号を得ました。小高の業績は、日本の経営学教育に大きな影響を与えました。

著書

小高は多くの著書を著し、その内容は経営学や会計学の基礎から応用に至るまで多岐にわたります。1940年には『経営経済学講義 上巻』を慶応出版社から発表し、同じ年に『経営計算論』や『景気変動論』も刊行されました。これらの著作は、経営学の理論と実務に関する堅実な知識を提供しています。

1942年には『経営経済学序説』を出版し、経営学の基本概念を明確に示しました。1943年の『経営経済学』や、1944年の『企業財務論 経営経済学第二部』なども、経営学の重要な文献として高く評価されました。

彼の著作の中には、会計の基礎や原価計算に関する書籍も多く見られます。例えば、1944年に発表された『原価計算と原単位計算』や、1949年の『原価計算論』は、実務家にも有益な参考書とされています。

また、小高は共編著や翻訳も手掛けており、他の著者との共同作業を通じて知識の普及に努めました。特に1941年には、アーヴィング・フィッシヤーの『アメリカ株式恐慌と其後の発展』を、金原賢之助と共訳しました。さらに、エーリッヒ・シェーファーの『企業と企業経済学』の監訳も行っています。

記念論文集と論文

彼の業績を称える形で、1964年には『経営組織と計算制度 小高泰雄博士還暦記念論文集』が出版されました。この論文集は、小高の研究に影響を受けた多くの研究者の論文を収めています。彼の研究活動は、学問の発展だけでなく、業界にも広く影響を与えてきました。

小高の研究は経営学や会計学の分野において、理論的な基礎を築くものであり、彼の著作は今なお多くの学生や実務家に利用されています。彼の業績は、経営教育の発展に寄与しただけでなく、日本の経済学界全体においても重要な位置を占めています。

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