少年アヤ

少年アヤ

少年アヤ（1989年12月3日 - ）は、日本の作家、エッセイストとして活動しています。彼女の作品は、自身のセクシュアリティーやジェンダーアイデンティティに関する率直な描写が特徴であり、多くの読者の共感を呼んでいます。また、児童文学の分野でも才能を発揮しています。

略歴

少年アヤは、ブログ『尼のような子』で注目を集めました。このブログがきっかけとなり、2014年には同タイトルのエッセイ集が出版され、作家としてのキャリアを本格的にスタートさせました。以降、雑誌やウェブ媒体でエッセイや私小説の連載を多数手がけ、その独特な視点と表現力で読者を魅了し続けています。

評価

作家としての少年アヤは、その作品を通じて高い評価を得ています。内澤旬子は、エッセイ集『尼のような子』について、「卓越した自己分析から繰り出す残酷な客観化と滑稽化と、美しく切ない隠喩が絶妙のタイミングで交錯する、そんな華麗にして秀逸な文章」と評し、その文章力の高さを称賛しました。また、武田砂鉄は、少年アヤのエッセイ集が刊行されるたびにじっくりと読み込み、彼女が記憶を大切にし、それを作品の中で育てている点を評価しています。

人物

少年アヤは、セーラームーン、サンリオ、ファンシーグッズを愛する一面も持っています。美大出身であり、イラストレーターのanccoとは美大時代の友人です。anccoは、2020年に出版された少年アヤの著書『ぼくの宝ばこ』の装画と挿画を担当しています。

自身のジェンダーアイデンティティについて、ノンバイナリーであることを公表しています。19歳から24歳までは「オカマ」を自称していましたが、「焦心日記」の執筆を機にその表現をやめました。ブログでは、その理由について「自分のことを投げやりでいるのがしんどくなった」ことや、「自虐的な態度や、いがいがをまとったような言動を繰り返すうち、あらゆる感覚が鈍化し、自分の本心や、発するべき言葉がなんなのかもわからなくなっていた」と綴っています。ノンバイナリーという言葉を知り、自認することで、自身の感覚を肯定できるようになったと語っています。

書くことは自身にとっての「調律」であると述べており、自己の内面と向き合い、表現することを通じてバランスを取っていることが伺えます。

書籍

尼のような子 （2014年、祥伝社）
少年アヤちゃん焦心日記（2014年、河出書房新社）
焦心日記〈河出文庫〉（2018年、河出書房新社）※改題し文庫化
果てしのない世界め（2016年、平凡社）
ぼくは本当にいるのさ（2018年、河出書房新社）
なまものを生きる（2019年、双葉社）
ぼくの宝ばこ（2020年、講談社）
ぼくをくるむ人生から、にげないでみた1年の記録（2021年、双葉社）
うまのこと（2022年、光村図書出版）

雑誌連載

ROLa 少年アヤの女子の文明論（2013年 - 2014年、新潮社）
私帝国（2014年12月 - 2016年3月）
Zipper 美少女ふみちゃんと少年アヤちゃんの往復書簡（2013年、祥伝社）
an・an 少年アヤちゃんのふぁんし〜新聞（2013年 - 2014年、マガジンハウス）
ハツキス ロマンチック・ア・サンデー（2014年 - 2019年、講談社）
yom yom あれの・花園（2015年春 - 2016年6月号、新潮社）
飛ぶ教室 うまのこと（2019秋vol.59 - 2021春vol.65、光村図書出版）

WEB連載

AM 「少年アヤちゃんが行く 恋の東京散歩」（2012年11月 - 2013年9月、メディアーノ）
ココロニプロロ
“できれば”幸せになりたい（2012年12月 - 2013年6月）
少年アヤちゃんの駆け込み沼（2013年6月 - 12月）
河出ウェブマガジン「オカマ抱かないと地球が爆発するみたいな流れにならないかな 少年アヤちゃん焦心日記」（2013年5月 - 2014年5月、河出書房新社）
ウェブ平凡 「ホーム・スイート・ホーム」（2014年11月、平凡社）
cakes 「ぼくは本当にいるのさ」（2018年）
双葉社web文芸マガジン COLORFUL
なまものを生きる（2018年 - 2019年2月）
よい人生、ぼくをくるむ（2019年9月 - 2020年8月）

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