少林寺 (埼玉県寄居町)

埼玉県大里郡寄居町にひっそりと佇む少林寺は、曹洞宗の寺院として、その歴史を静かに刻んでいます。

創建の歴史

少林寺は、1511年（永正8年）に、花園城の城主であった藤田康邦、あるいは父である藤田国村によって開基されました。開山には、大洞存奝（だいとうそんちょう）が迎えられ、寺の基礎が築かれました。

五百羅漢像

特筆すべきは、開山である大洞存奝が発願した五百羅漢像の造立です。しかし、その願いは生前には叶わず、実に300年の時を経て、天保3年（1832年）に第24世住職である大純萬明（だいじゅんばんみょう）によってようやく成就されました。この五百羅漢像は、かつて江戸本所に存在した五百羅漢寺（現在の東京都目黒区に移転）の像を手本として造られたと伝えられています。

本所五百羅漢寺との関連

少林寺の五百羅漢像は、江戸時代に庶民の信仰を集めた本所五百羅漢寺（現在の目黒区）の羅漢像を参考にしていることから、当時の文化や信仰の広がりを垣間見ることができます。

アクセス

少林寺へのアクセスは、秩父鉄道の波久礼駅から徒歩約21分です。静かな場所に位置しており、訪れる人々は、歴史と信仰が織りなす空間で、穏やかな時間を過ごすことができます。

参考文献

花井泰子、花井敬、青木忠雄 著『さいたま寺社めぐり 夫婦で訪ねた四季の寺社76選』幹書房、1999年
「末野村 少林寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ234榛沢郡ノ5、内務省地理局、1884年6月。

もう一度検索