少林寺木人拳

映画『少林寺木人拳』の概要

『少林寺木人拳』（英題：Shaolin Wooden Men）は、1976年に制作された香港のアクション映画で、主演にはジャッキー・チェンが名を連ねています。映画は、監督のロー・ウェイが興行的な失敗から新たな試みを行い、若手監督チェン・チーホワが実務を担って作られました。ところが、香港ではわずか1週間で上映が打ち切られ、興行成績は芳しくありませんでした。

日本では1981年に『太陽のきずあと』との併映で公開され、ジャッキー・チェン映画では最も昔の作品の一つとなります。この作品は、他のジャッキー映画と異なり、主人公が対戦相手を殺さないという特異なストーリーラインが特徴です。特にクライマックスでは、主人公が師匠である敵を説得し、最後までとどめを刺さない展開が描かれ、師弟愛がテーマとして浮かび上がります。これらの要素は日本の視聴者にも強く響き、特に80年代には、主題歌『ミラクル・ガイ』と共に若者に支持を受け、多くの映画評論雑誌でも高い評価を得ました。

あらすじ

物語は、口が不自由な若者小唖巴（ジャッキー・チェン）が幼少期に父を惨殺された復讐を誓い、少林寺に入門するところから始まります。小唖は、寺の裏に封じ込められた男・法愚と出会い、彼から少林拳の技を学びます。法愚はかつて少林寺で高僧だった人物で、掟を破った罰として閉じ込められていましたが、彼の教えを受けることで小唖は次第に力をつけていきます。

少林寺を出るための試練として木製の人形「木人」と戦うことになり、見事それを打ち破って下山を許可されます。街に出た小唖は、青龍白虎派のやくざに困っている食堂の一家を助けるが、その際に法愚と再会し、彼を救おうと決生します。しかし、法愚は冷酷さを持った過去の持ち主であり、小唖は戸惑いを感じつつも彼と距離を置くことに。

小唖は法愚を追う男・閔大成と出会い、彼との力の差を思い知らされ、修行を重ねる決意をします。少林寺では法愚の襲撃が迫り、僧たちは小唖に秘術を伝授します。物語は、法愚との決戦へと進み、最終的に小唖は復讐の機会を得つつも、師への愛情から彼を殺すことができません。法愚は自身の野望から彼に攻撃を仕掛けてきますが、自らの拳によって命を落とすこととなるのです。物語は、小唖が敬意を持って少林寺に戻ることで完結します。

キャスト

主要な役者にはジャッキー・チェンのほか、法愚を演じるカム・コンがいます。また小蘭役のドリス・ロンや、閔大成を演じるミャオ・ティエンなど、物語を彩るキャストが名を連ねています。

全体的に『少林寺木人拳』は、迫力あるアクションと深いドラマが融合した作品であり、ジャッキー・チェンの初期の名作として後世に多くの影響を与えています。

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