尚寧王

尚寧王（しょうねいおう）

尚寧王は、1564年に生まれ、1620年に没した琉球王国第二尚氏王統の第7代国王です。彼の治世は、琉球王国が激動の時代を迎える時期と重なりました。王家分家である小禄御殿の出身で、先代の尚永王に男子がいなかったため、王位を継承しました。この時代、王家分家はまだ明確な制度として確立しておらず、尚寧王の一族は、その本拠地から「浦添尚家」と呼ばれることもありました。

薩摩侵攻と琉球の変革

1609年、尚寧王の治世中に薩摩藩による琉球侵攻が起こり、琉球王国は薩摩藩に降伏しました。これにより、琉球王国は日本の支配下に入り、同時に明との貿易関係も維持するという複雑な立場に置かれることになりました。尚寧王は薩摩藩によって江戸に連行され、徳川秀忠に謁見した後、琉球に戻されました。

奄美群島割譲

1613年、尚寧王は薩摩藩によって奄美群島を割譲させられました。この出来事は、琉球王国の領土が縮小し、薩摩藩の影響力が強まる象徴的な出来事でした。

陵墓

第二尚氏の王陵は玉陵ですが、尚寧王は浦添ようどれに葬られました。この理由については、薩摩の侵攻を恥じたためという説がありますが、これは創作された話であると考えられています。実際には、尚寧王は自身が正当な血筋でありながら、オギヤカ（宇喜也嘉）によって不当に廃された血筋であると考えており、玉陵の碑文を考慮すると、自らがそこに入ることを拒否し、生まれた地である浦添に葬られることを望んだとする説が有力です。

家族

父：尚懿（しょうい）
母：首里大君按司加那志（しゅりおおぎみあじがなし）（尚元王の娘）
妃：阿応理屋恵按司加那志（あおりやえあじがなし）（童名：真銭金、号：蘭叢。尚永王の長女）
夫人：西之按司（にしのおあじ）（童名：真鍋樽金、号：西月。傳氏一世佐辺親方厚旨の娘）
夫人：安谷屋大按司志良礼（あだにやおおあじしられ）（童名：真鍋樽金、号：涼月。章氏安谷屋親雲上の娘）

伝承

尚寧王と殷氏真鶴金（殷氏二世庸昌長女）の間には、落胤である允氏具志堅家太宗・具志堅親雲上用易がいたという伝承があります。

尚寧王が登場する作品

琉球の風 (1993年、NHK大河ドラマ): 沢田研二が尚寧王を演じました。
花の慶次 -雲のかなたに- (1990年 - 1993年、週刊少年ジャンプ): 隆慶一郎原案、原哲夫作画の漫画作品。

関連事項

小禄御殿



尚寧王は、琉球王国の歴史において重要な転換期を経験した国王であり、彼の生涯は、琉球王国の歴史を深く理解する上で欠かせない要素です。薩摩侵攻という未曽有の危機に直面し、その後の琉球王国の進むべき道に大きな影響を与えた人物として、後世に語り継がれています。

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