尺野将太

尺野将太：データ分析と情熱でチームを導くバスケットボール指導者

尺野将太（しゃくの しょうた）は、1983年12月20日生まれ、広島県出身のバスケットボール指導者です。テクニカルスタッフとして培った映像分析や情報分析を武器に、様々なチームを勝利に導いてきました。

生い立ちと指導者への道

幼少期を広島で過ごし、小学生時代は剣道に励みました。スラムダンクの影響でバスケットボールを始め、アジア大会での日本代表の試合観戦をきっかけに、競技としてのバスケットボールに強い関心を持つようになります。進学校である広島県立祇園北高等学校に進学しバスケットボール部に所属。その後、千葉大学教育学部スポーツ科学課程に進み、スポーツを学問として探求しました。

大学時代には、バスケットボール指導の面白さに目覚め、鈴木良和氏の指導のもと、出張指導の経験を積みます。日高哲朗氏や中川文一氏といった名指導者からの薫陶を受け、選手兼コーチを務めた経験から、指導者への道を志すようになりました。大学院ではバイオメカニクスを専攻し、バスケットボールの指導法を深く学びました。スペインのプロバスケットボールチームでの育成現場視察は、育成の重要性を再認識する契機となりました。

指導者としてのキャリア

大学院修了後、高校教員として教鞭を執る傍ら、バスケットボール部の顧問を務めます。そこで恩塚亨氏と再会し、最新の映像分析や情報分析について学び、指導に活かすようになりました。その後、女子日本代表のテクニカルスタッフとして、国際舞台での経験を積みます。Wリーグのアイシン・エィ・ダブリュ ウィングスでのテクニカルスタッフを経て、Bリーグの横浜ビー・コルセアーズのアシスタントコーチに就任しました。

2017年には、ヘッドコーチ代行を経て正式にヘッドコーチに昇格。その後アソシエイトコーチへの職務変更を経て、再びヘッドコーチに就任するという異例の事態も経験しました。2018年からは広島ドラゴンフライズのヘッドコーチを務め、B2優勝、B1昇格を目指しましたが、西地区3位に終わり、プレーオフ進出はなりませんでした。その後、U15チームのヘッドコーチを経て、再びトップチームのヘッドコーチに復帰するなど、広島のバスケットボール界に大きく貢献しています。

指導哲学と人物像

尺野は、データ分析を重視し、客観的な視点からチームや選手の課題を見つけ出すことを重要視しています。しかし、データだけでなく、選手との信頼関係を築き、選手の「闘志」を引き出すことも大切にしています。攻撃では速攻、守備ではプレッシャーディフェンスを重視し、アグレッシブなバスケットボールを展開します。ヘッドコーチには、構想力、環境整備力、関係構築力、実践力、状況対応力、そして内省力が求められると考えています。

選手経験がないながらもプロ選手を指導する上で、「バスケットボールを見る目」と「信頼関係」を重視しています。試合や練習を分析し、選手に情報を提供するだけでなく、信頼関係を築き、選手が自ら成長できるような環境を作ることを心がけています。また、アシスタントコーチには、ヘッドコーチのイエスマンになるのではなく、自分の意見を持つことを求めています。

趣味とエピソード

愛用のバッシュはNIKE KYRIE 3。性格はナイーブで人見知り、内に籠るタイプ。休日はコンビニの店員としか話さない日も多いとのこと。バスケ以外の趣味は格闘技観戦。コーヒーなどの苦いものが苦手で、甘党。好きな女性のタイプは、よく笑ってくれて、素の自分を受け入れて支えてくれる人。

故郷である広島への思いは強く、大規模土砂災害や豪雨災害の際には、積極的に寄付や募金活動を行っています。指導者として影響を受けたのは、大学時代の恩師である日高哲朗氏。知識や指導力だけでなく、人間性も尊敬していると語っています。横浜ビー・コルセアーズのヘッドコーチ時代には、チームをB1残留に導き、ブースターからの人気も高く、技術解説イベント「SHACKY NIGHT！」は名物となっていました。

尺野将太は、データ分析と情熱を兼ね備えた、これからのバスケットボール界を担う注目の指導者です。

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