尻毛駅

尻毛駅の歴史と特徴

尻毛駅（しっけえき）は、岐阜県岐阜市尻毛にかつて存在した名古屋鉄道の揖斐線に所属していた駅です。この駅は、特異な名前から「珍地名」として地元では広く知られていました。尻毛駅とその隣の又丸駅は、来訪者からもユニークな注目を集めていました。

歴史の流れ

尻毛駅自体の歴史は、1914年にさかのぼります。この年、岐北軽便鉄道が忠節駅から北方町駅（のちの美濃北方駅）までの路線を開通させた際に、同時に開業しました。当駅は、この路線の重要な一部として位置づけられ、地域の交通に寄与してきました。

しかし、長い歴史の中で、尻毛駅も多くの変遷を経験しました。1938年には長良川の河川改修に伴い、一時的に休止となります。1939年に至り、近ノ島（西）駅から尻毛駅への運行が再開され、地域住民にとって再び利用可能な駅となりました。その後、1972年に無人駅へと移行し、2005年の3月31日には揖斐線の全線廃止に伴い、残念ながらその歴史の幕を閉じました。

駅の構造

尻毛駅は、相対式ホーム2面2線の構造を持つ交換可能駅でありました。忠節寄りには小さな駅舎とともに構内踏切があり、利用者の利便性を考えた作りとなっていました。ただし、1972年から廃駅となるまでの間は、無人駅として運営されていました。この駅の配線は、黒野方面行きが直線で続き、右側通行の運行形態が採用されていたのも特徴的でした。

利用状況

尻毛駅の利用状況については、1992年度のデータが特に注目されています。この年の1日平均乗降人員は809人という数値で、岐阜市内線均一運賃区間を除く名鉄全駅の中で239位、揖斐線・谷汲線においては24駅中5位という実績を示しております。

このことからも、尻毛駅が地域の重要な交通拠点であったことが伺えます。

駅周辺の状況

尻毛駅周辺は、岐阜バスの尻毛バス停があり、2016年に行われたダイヤ改正以降は西郷線として運用されています。駅の便利さを生かした地域の公共交通機関の発展も見られました。また、当駅は急行と普通の両方の運行があり、隣接する交通機関との接続もしっかりと整備されていたため、地域住民に多くの支えを提供していました。

隣の駅には、名古屋鉄道の揖斐線があり急行、普通ともに停車していました。尻毛駅と隣接する又丸駅との間には、かつて旦ノ島駅と川部橋駅が存在していたという歴史的な側面もあり、鉄道好きの間でも名物駅として親しまれていました。

尻毛駅は、その独特な名称と歴史的背景を持ち、岐阜市の鉄道史における一コマを飾る駅でありました。今は廃駅となってしまいましたが、当時の記憶や歴史は地域の人々や鉄道ファンにとって色あせることないものとなっています。

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