尾上榮三郎

尾上榮三郎（おのえ えいざぶろう）

尾上榮三郎は、日本の伝統芸能である歌舞伎において非常に重要な名跡であり、この役者を称えるように名乗った数多くの後継者が存在します。役者の屋号は音羽屋で、定紋には重ね扇に抱き柏が使われています。

初代尾上榮三郎（1784–1849）

初代尾上榮三郎は、初代尾上菊五郎の弟子であり、初代尾上松助の養子として誕生しました。彼の実父は東京小伝馬町の建具業を営む辰蔵という人物です。初代榮三郎は、江戸歌舞伎の型を整え、作家や裏方と連携しながら創意工夫を重ねました。その結果、彼は「兼ネル菊五郎」と呼ばれるほど役柄が広範でした。

彼の後継者には、尾上新三郎、二代目尾上松助、三代目尾上梅幸、三代目尾上菊五郎、そして舞台を引退した後には菊屋萬平、再び舞台に復帰した後には初代大川橋蔵がいます。

二代目尾上榮三郎（1805–51）

初代の長男である二代目尾上榮三郎は、1805年に生まれました。彼の芸名は尾上朝太郎から二代目尾上榮三郎に変わり、その後三代目尾上松助、さらには大川三朝へと続きます。

三代目尾上榮三郎（1808–60）

三代目の榮三郎は初代の長女・お蝶の婿養子として江戸時代の歌舞伎の壇上に立ちました。大坂出身の立女形であり、名前は中村辰蔵、次に中村歌蝶、そして尾上菊枝を経て三代目尾上榮三郎となりました。その後、四代目尾上梅幸や四代目尾上菊五郎を名乗っています。

四代目尾上榮三郎（1829–58）

二代目の養子であった四代目尾上榮三郎は、1829年に生まれましたが、わずか29歳で他界しました。彼は飯田での公演中に倒れ、静岡県浜松市佐久間町浦川で息を引き取りました。

その他の尾上榮三郎

尾上榮三郎の名は他にも存在します。例えば、二代目尾上菊次郎の養子として名乗った役者や、明治8年に別の尾上榮三郎が現れたとの記録があります。これらの人物に関する詳細は不明です。

五代目尾上榮三郎（1870–1934）

五代目尾上榮三郎は、五代目尾上菊五郎の養子であり、彼の実父は三代目の孫である尾上朝次郎です。彼は西川榮之助から初代尾上榮之助、そして五代目尾上榮三郎と名乗るようになります。最終的には、六代目尾上梅幸となります。

六代目尾上榮三郎（1886–1938）

五代目尾上菊五郎の三男として誕生した六代目尾上榮三郎は、演技の技術を次の世代に引き継いでいきました。

七代目尾上榮三郎（1900–26）

七代目は五代目の長男として1940年代に活動していました。彼もまた尾上榮三郎の名に恥じないよう努力しました。

八代目尾上榮三郎（1924–45）

八代目尾上榮三郎はさらにその名を受け継いだ世代として、江戸歌舞伎の伝統を大切にしながら活躍しました。

このように、尾上榮三郎の名跡は代々にわたって伝承され続け、歌舞伎の発展に寄与しております。各代の尾上榮三郎たちはそれぞれ独自の個性を持ちつつも、歌舞伎そのものの魅力を引き出し、多くの人々の心を捉えてきました。

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