尾崎幸洋

尾崎幸洋

尾崎幸洋（おざき ゆきひろ、1949年10月19日生まれ）は、日本の著名な化学者であり、分子分光学の専門家です。大阪府堺市に生まれた彼は、大阪府立北野高等学校を卒業後、1973年に大阪大学理学部化学科を卒業しました。その後も同大学院に進学し、1978年には博士号を取得しています。

尾崎氏は、海外での研究経験を経て、1981年に東京慈恵会医科大学の助手に就任。その後、1989年に関西学院大学の助教授となり、わずか数年後には教授に昇進します。大学では、理工学部の学部長を2006年から2010年まで務め、また2010年度からは学校法人関西学院の常任理事としても貢献しました。2013年度から2017年度まで副学長を務めた功績もあります。2018年に定年退職し、名誉教授とフェローの称号を受けました。

尾崎氏の専門領域は、赤外分光法、ラマン分光法、近赤外分光法、遠紫外分光、さらには遠赤外/THz分光まで多岐にわたります。彼の研究には、特に電子分光法や振動分光法の新たな手法の開発が含まれています。

これまでの彼の業績は非常に多岐にわたりますが、主に以下のようなテーマで活動をしてきました：
1. 新しい分光法の開発：特に減衰全反射法や表面プラズモン共鳴を用いた近赤外分光法など。
2. 分光法の原理研究：表面増強ラマン散乱の機構に関する研究。
3. スペクトル解析法の提案：Moving Window Partial Least Square（MWPLS）法の開発。
4. 多様な分野への応用：物理化学から分析化学、さらには生物医学まで幅広い応用が見られます。

1999年から2017年の間には、毎年30報以上の論文を発表し、関西学院大学移籍以降の論文総数は1,000報を超えるという驚異的な成果を挙げています。その業績は世界中で高く評価され、彼のh-indexは84、被引用数は34,000回を超えています。

尾崎氏は、学界で数々の栄誉を受けてきました。1998年にはTomas Hirschfeld Award、2005年には文部科学大臣表彰科学技術賞、さらに2018年には紫綬褒章、2023年には瑞宝中綬章を授与されました。また、国際的な研究者との交流の一環として、関西学院大学で開催された退職記念国際会議には、世界各国から多くの著名な研究者が参加しました。

著作活動にも力を入れ、数多くの専門書や共著書を出版しています。彼の著作は、化学分野の研究者や学生にとって貴重な資料となっています。

尾崎幸洋は、化学の分野で大きな影響を及ぼし続けている科学者であり、今後もその研究活動に注目が集まることでしょう。

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