尾崎行雄 (野球)

尾崎 行雄

尾崎行雄（おざき ゆきお）は、1944年9月11日生まれのプロ野球選手で、投手として活躍しました。大阪府泉大津市出身の彼は、野球界でその名を知られる選手となりました。

経歴

プロ入り前

尾崎は、同名の政治家にちなんで名付けられました。彼は元々左利きでしたが、小学5年生の頃に父の指導により右投げに転向。これは非常に珍しいケースであり、将来の投球力に影響を与えました。彼の握力は右手が80㎏、左手が65㎏となっており、右投げへの変更が彼の強力な速球を生む要因となった可能性があります。

高校時代は浪商高（現在の大阪体育大学浪商高）に進学し、1961年の夏の甲子園で優勝を果たした際には「怪童」と呼ばれるようになりました。この大会では、法政大学第二高等学校のエース・柴田勲との対戦が注目され、互いに素晴らしいプレーを見せました。

プロ野球選手としてのキャリア

尾崎は1962年に東映フライヤーズに入団。彼のプロデビューは4月8日の大毎オリオンズ戦で、リリーフとして初登板し、15球で勝利を収めました。この年に彼はルーキーながら革命的な活躍を見せ、最終的には20勝を挙げて新人王に選出されることになります。18歳での新人王獲得は、いまだに記録として残っています。

1963年は故障が影響し7勝にとどまりましたが、1964年には復調。さらに、1965年には27勝を挙げて最多勝と最多奪三振を獲得しました。彼の成績はその後も高水準を維持し続け、1966年には24勝を記録しました。

しかし、1967年から尾崎は肩の不調に悩まされ、良好なパフォーマンスを保つことが難しくなっていきました。何度か引退を考えるも、彼の情熱と指導者からの励ましにより、復帰を果たすことができました。最終的には1973年に肝臓に問題を抱えて引退を決意しました。

引退後

引退後は飲食店「高尾」を経営し、その後も野球界での活動を続けました。少年野球の指導やメディア出演を通じて、次世代の選手に影響を与えました。特に、2001年に始まったマスターズリーグには東京ドリームスとして参加するなど、現役引退後も積極的にスポーツに関わり続けました。

尾崎は2013年に肺がんにより68歳で逝去しました。彼の通夜には多くの球界関係者が参列し、その功績を称えました。2014年には追悼展が開催され、彼の野球界での偉大な業績を再評価されることになりました。

選手としてのスタイル

尾崎はスリークオーター気味の投球フォームから特に速球を武器としました。そのスピードはプロ野球史上でも随一とされ、記録された最速球速は156.7キロです。彼は多彩な球種を投げ分けていましたが、制球力に欠ける部分があり、狙った場所に投球できるのは稀であったと言われています。しかし、これが逆に打者にとっては狙い球を絞りにくい要因ともなりました。

尾崎行雄は、その強烈な速球と華やかな経歴で、今なお多くのファンに愛される伝説の選手です。

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