尾田賢典

尾田賢典のプロフィールとキャリア

尾田賢典（おだ よしのり、1980年12月5日生まれ）は、熊本県山鹿市出身の陸上競技選手で、長距離走やマラソンを専門としています。彼は2011年の世界陸上大邱大会で男子マラソンの日本代表として選出され、スポーツ界で名を馳せました。尾田は大牟田高等学校を経て関東学院大学を卒業し、現役時代にはトヨタ自動車の陸上長距離部に所属していました。彼の弟、尾田寛幸も陸上競技において優れた選手として知られています。

経歴

尾田の陸上でのキャリアは、高校時代から始まりました。大牟田高校では、最初の2年間はそれほど目立つ存在ではありませんでしたが、3年生に進級するとその才能を発揮し、第49回全国高校駅伝で6区を担当し区間賞を獲得しました。

関東学院大学では、1年生からチームの主力選手として活躍し、特に箱根駅伝に3回出場しています。1年目の第76回大会では有名な2区を走り尽力しましたが、結果は区間最下位に終わりました。3年目の第78回では1区に起用され、リードを維持するための走りを期待されましたが、最終的に区間5位となっています。しかし、4年時の第79回大会では再び2区を務め、12人を抜く素晴らしい走りでチームの順位を大きく押し上げましたが、区間順位は8位で留まりました。

大学4年時には、関東インカレ2部の5000mと10000mにおいて2冠を達成し、5000mでの13分台、10000mでは28分23秒という素晴らしい記録を樹立しました。これにより、彼は日本陸上界において一層注目される存在となっていきました。

トヨタ自動車に入社した当初は、主にトラック種目での活躍が目立ち、日本選手権10000mには在籍中の10年間連続で出場しました。特に2004年には28分03秒92という記録を打ち出し、アテネオリンピックのB標準を突破しました。兵庫リレーカーニバルでも日本人選手の中で3位に入り、順調なキャリアを積んでいました。

2009年には、第93回日本選手権10000mで見事3位入賞を遂げるも、同年のベルリン世界選手権の代表には選ばれませんでした。2010年には東京マラソンでの初マラソン参戦を予定していましたが、アキレス腱や股関節のケガにより参加を断念しました。その後の10月には10000mで自己ベストの27分53秒55をマークし、2011年のニューイヤー駅伝ではエース区間を走り、チームの初優勝に貢献しました。

尾田は2011年2月に東京マラソンでマラソンデビューを果たし、一時は日本人トップに立つも、川内優輝選手に逆転されました。しかし、初のマラソンとしては歴代3位の記録である2時間09分03秒を達成し、日本人選手の中で4位に入賞しました。同年の世界陸上大邱大会においても日本代表として選出されましたが、レースでは28位と悔しい結果に終わってしまいました。

その後、彼は現役時代に越えることのできなかった自己ベスト記録を更新することができず、2015年には別府大分毎日マラソンを最後に引退を決断しました。引退後は、ランナーサポートステーション「Runup」で活動を続けながら陸上競技に関与し、2017年には1500ｍのマスターズM35日本記録を達成しました。また、トレイルランニングにも挑戦し、様々な大会に参加するなど活動的な日々を送っています。

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