局

局（きょく、つぼね）

「局」は日本語において、官庁や企業の配置を分けるための部門を示す言葉です。具体的には、各機構の中で部の下位に位置する課や係、班などを統括する部署として存在します。また、地方公共団体においても「局」と名がつく部門があり、交通局や水道局、下水道局などがあります。郵便局、放送局、通信局、薬局、無線局なども「局」の名で省略されることが多いです。将棋や囲碁、麻雀などでは勝負の進行を示す数の単位として、「1局」という形で使用されます。

局（つぼね）

また、「局」という用語は、宮殿内での女性の私室、特に女官や女房のための部屋を指す際にも使われます。歴史的には、この「局（つぼね）」が重要な役割を果たし、大奥において最高位の女中に与えられる称号でもあります。このようにして、企業や組織の中でも中堅の女性を指す言葉として「お局様」が用いられることもあります。特に、新人社員よりも上位に立ち、発言力を持つ女性に対して使われることが多く、時には揶揄を含むことがあります。

地名「局」

山形県酒田市には「局」という地名が存在します。この地名の由来については複数の説がありますが、特に注目すべきは、6世紀に出羽三山の修験道を開いたとされる蜂子皇子に関連づけられた伝説です。この伝説によると、皇子は日本海を北上し、その途中で八人の乙女と三本足のカラスに導かれて羽黒山へ到達したと言われています。しかし、皇子の付き人である「局の方」は途中で病に倒れ、この土地に留まることになったとされ、彼女が創った庵が集落の起源とされています。

地元の歴史家石井正三によると、この由来は局村の今井徳右衛門家に伝わる文書に記されており、1770年（明治3年）にはすでに局村の名が存在していたことが確認されています。また、別の伝説では、局の方が亡くなり、この地に祭られたことが地名の由来とされています。さらに、皇子が山を開く際に女人禁制とし、付き人たちを連れて行くことができなかったため、局の方はこの地に残されたとも言われています。こうした物語は地域の信仰の背景に深く根ざしており、皇太神社に皇子と局を祀る信仰が今も続いています。

さらに、局村の歴史には、1691年（元禄4年）の絵図に「局」という地名が記されていることも示されています。このことから、局村はかなり古くから存在していた集落であり、近隣の門田村には「小局」という地名も見られます。初めて新潟から移住してきた村上一族がこの地に根を下ろし、局村と名称を持つ信仰を育んできました。

「局」の名称には地形的な意味も含まれ、「局地」や「窪地」という、狭く低い土地を示す説もあります。このように、「局」という言葉は単なる部署や地名にとどまらず、歴史や文化に深く結びついた多面的な概念であるのが特徴です。

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