屋嘉宗彦

屋嘉宗彦（やか むねひこ）は、1946年に沖縄県で生まれた日本の経済学者です。法政大学の名誉教授として知られています。彼の専門は経済学であり、特に資本主義の理論や沖縄経済に関する研究で高い評価を受けています。

屋嘉氏は、古典音楽を教える家庭に生まれました。那覇高校を卒業後、香川大学経済学部に進学し、経済学の基礎を築きました。その後、一橋大学大学院経済学研究科博士課程に進み、1975年に満期退学しました。

1975年、法政大学第一教養部の講師として教鞭を執り始め、助教授、教授と昇進しました。その後、法学部教授も務めました。2004年から7年間は、法政大学沖縄文化研究所の所長として、沖縄文化の研究にも尽力しました。2016年に法政大学を退職し、名誉教授となりました。

屋嘉氏の研究は、マルクス経済学と近代経済学を比較検討し、現代資本主義の構造を分析することに焦点を当てています。また、沖縄経済の自立に関する研究も重要なテーマとしており、沖縄の経済的な課題と可能性について深く考察しています。

彼の主な著書には、『現代資本主義の経済理論』（1990年）、『マルクス経済学と近代経済学』（2003年）、そして『沖縄自立の経済学』（2016年）があります。『現代資本主義の経済理論』では、資本主義の理論的な構造を詳細に分析し、『マルクス経済学と近代経済学』では、二つの経済学の対立点と共通点を明らかにしました。さらに、『沖縄自立の経済学』では、沖縄の経済的な自立に向けた具体的な提言を行っています。

また、共著として『戦後70年の日本資本主義』（2016年）があり、日本の戦後資本主義の変遷を分析しています。監修としては『沖縄の大研究』（2011年）があり、沖縄に関する多角的な研究成果をまとめています。これらの著作から、屋嘉氏が経済学の理論研究だけでなく、現実の社会問題にも積極的に関わっていることが伺えます。

屋嘉宗彦は、経済学者としての活動に加えて、教育者として多くの学生を指導し、沖縄文化の研究にも貢献しました。その幅広い活動は、経済学研究と地域社会への貢献の両面で高く評価されています。

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