屋敷伸之

屋敷伸之（やしき のぶゆき）について

屋敷伸之は1972年1月18日生まれの将棋棋士で、北海道札幌市の出身です。彼は五十嵐豊一九段の門下で学びながら、棋士番号189として活動を続けています。屋敷は棋聖のタイトルを3期獲得しており、2020年7月16日までは、タイトル獲得時の最年少記録保持者でした。この記録は、彼が18歳6か月でタイトルを獲得し、19歳0か月で防衛したことに起因しています。また、プロ入りから初のタイトル獲得までの期間はわずか1年10か月であり、この記録も現在に至るまで破られていません。

将棋の軌跡

屋敷は小学2年生の頃から将棋を始め、父にルールを教わった後、強い教師に出会ったことで強化していきました。小学6年生の時には第8回小学生将棋名人戦に出場し3位に入賞し、中学2年生では神奈川県代表として第10回中学生名人戦で優勝を果たしました。

奨励会には13歳で入会し、16歳で四段に昇進。特に、6級から四段昇段までの期間2年10か月という速さは、以前の記録を大幅に上回るものでした。屋敷以前には谷川浩司や羽生善治といった名棋士がいましたが、彼は彼らよりも早くプロ入りを果たしました。

タイトル獲得

屋敷の最初の重要な対局は1989年の棋聖戦で、17歳10か月のときに挑戦権を獲得しました。この時、彼は中原誠棋聖に挑戦し、惜しくも2勝3敗で敗れましたが、すぐ翌年の棋聖戦では見事に勝利し、最年少でタイトルを獲得しました。さらに、彼はその後も防衛に成功し、当時19歳でタイトルを防衛する最年少記録も打ち立てました。

球戦と棋風

屋敷の棋風は多岐にわたり、居飛車と振り飛車の両方を駆使することができるオールラウンドプレーヤーです。特に若手時代には「忍者屋敷」という異名を持ち、その変幻自在な指し回しが評価されています。A級棋士となった彼は、近年では特に先手を持った際の勝率が高く、独自の戦法がファンに新鮮な驚きを与えています。

また、彼は競艇も愛好しており、その影響を受けた独特な思考法が将棋に生かされています。しかし、将棋と競艇の両方に強く興味を持っていた時期があり、競艇の方を重視しすぎていたと自嘲気味に語っています。その後、将棋に対する姿勢を見直し、現在では真剣に研究に取り組んでいます。

私生活と人柄

屋敷は28歳で結婚し、妻は世界シャンチー選手権に出場したことのある順子さんです。また、息子は俳優として活動している屋敷陽希です。彼は義理堅い性格として知られ、将棋の仲間との交流を大切にしています。特に三浦弘行とは良き友人で、互いに研究相手として支え合っています。

屋敷は自身の記録を成し遂げる一方で、若手棋士の育成にも力を入れており、北海道での将棋普及活動にも積極的に参加しています。将棋界における彼の卓越した技術と努力は、多くのファンの応援を受けて、今後も進化し続けることを期待されています。

もう一度検索