山下茂 (実業家)

山下 茂（やました しげる）氏は、1958年に東京都で生まれた日本の実業家です。ベビー用品やマタニティ用品などを手掛ける大手企業、ピジョン株式会社の代表取締役社長を務めています。

山下氏のキャリアは、1981年3月に立教大学社会学部産業関係学科を卒業後、同年4月にピジョン株式会社へ入社したことに始まります。入社当初から営業担当として、グローバルな市場開拓に尽力しました。世界各国を精力的に訪問し、その数は50カ国を超えるほどでした。この広範な海外経験を通じて、彼はピジョン社のその後の国際事業拡大のための強固な基盤を築き上げました。

海外での活躍が評価され、山下氏は1996年にはタイの子会社であるPIGEON INDUSTRIES(THAILAND) CO.,LTD.の新しい工場設立を成功に導きました。翌1997年には、同社の代表取締役社長に就任し、現地法人の経営を担いました。さらに、2004年にはアメリカの子会社LANSINOH LABORATORIES,INC.の代表取締役社長としても手腕を発揮しました。これらの海外拠点での要職を経て、日本に帰国後は海外事業本部の責任者として執行役員に就任し、その後は取締役としてピジョン社のグローバル戦略の中核を担いました。

2013年4月、山下氏はピジョン株式会社の第5代代表取締役社長に就任しました。社長就任後、彼は企業価値の向上を経営の最重要課題の一つとして掲げ、ピジョン社独自の経営指標であるPVA（Pigeon Value Added）を策定・導入しました。これにより、より明確な価値創造に向けた経営管理を推進しました。

彼のリーダーシップのもと、ピジョン社は目覚ましい企業価値の向上を実現し、その成果は外部からも高く評価されています。2015年には東京証券取引所より、その年の「企業価値向上表彰」において最高賞である大賞を受賞しました。翌2016年には、一橋大学から優れた事業・戦略を表彰する「ポーター賞」を授与されています。また、2018年6月23日に発行された『週刊ダイヤモンド』誌が行った「投資家の選ぶ最優秀社長2018」ランキングでは、トップ10入り（10位）を果たすなど、投資家からの信頼も厚い経営者として認知されました。

このように、山下茂氏は、入社以来一貫して海外市場の開拓と拡大に情熱を傾け、その豊富な国際経験と経営手腕によって、ピジョン社の持続的な成長と企業価値の飛躍的な向上に大きく貢献した実業家です。

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