山中勲

山中勲：ホンダの名車を生み出した技術者人生

1945年、静岡県浜松市に生まれた山中勲氏は、幼少期から父親の影響でオートバイに魅せられた。中学生時代には既にバイクを乗りこなすほどの熱心さで、将来は本田技研工業で働くことを夢見ていた。

浜松工業高校卒業後、すぐに本田技研工業への就職を目指したが、その年は求人がなく、一旦は別の企業に就職。しかし、本田技研への想いは消えず、新聞広告で募集を見つけ応募。採用試験に合格するも、勤務先への無断応募が発覚し、採用取り消しの危機に瀕する。しかし、温情ある判断により、念願の本田技研工業への入社が叶った。

鈴鹿製作所への配属後も、設計者になるという夢を諦めず、日夜勉学に励む傍ら、社内ラグビーチームにも所属し活動。その努力が実り、入社10年目には念願のバイク開発部門である朝霞研究所へ転勤。長年抱いていた開発への情熱を爆発させ、数々のフラッグシップモデルや名車の開発に携わることになる。

1981年からは、数々のフラッグシップバイクの開発責任者(LPL)を歴任。主任研究員、上席研究員を経て、2005年に本田技研工業を定年退職した。

定年退職後は地元浜松に戻り、バイク好きが集う場所を創りたいという思いから、自宅の庭に2年かけて自作の建物を建設。コーヒーへの造詣も深く、コーヒーマイスターの資格も取得している。現在も、自身が設計に携わったCB750FとVFR400R(NC21)を愛車として大切に乗り続けている。

山中氏が開発に携わった主なバイク

山中氏の技術者人生において、数々の名車が誕生した。その代表作として下記が挙げられる。これらのバイクは、現在でも多くのファンを魅了し続ける、ホンダの歴史を彩る名車揃いである。

HONDA RCB1000
HONDA CB900F
HONDA CB750F
HONDA CB1100R
HONDA VF750S
HONDA VF750C
HONDA VF1100C
HONDA VF1000R
HONDA VF1000F
HONDA VFR750F
HONDA VFR750R(RC30)
HONDA VFR400R(NC24・NC30)
HONDA GL1500 Gold Wing
HONDA ST1100 Pan European
HONDA NR(市販車)
HONDA CBR1100XX Super Blackbird

これらのバイク開発を通して、山中氏は日本のオートバイ業界に多大な貢献を果たした。その技術力と情熱は、後進の技術者たちに大きな影響を与え続けている。彼の情熱と努力は、単なるバイク開発を超え、日本のバイク文化を象徴する存在と言えるだろう。 定年退職後も、シニアラグビーを楽しむなど、アクティブな生活を送っており、そのバイタリティは、彼の生き様そのものを示している。 彼の情熱と技術は、これからも多くのバイク愛好家たちに語り継がれていくに違いない。

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