山中恒三

山中恒三（やまなか つねぞう）

プロフィール

山中恒三は、1886年（明治19年）6月23日に生まれ、1975年（昭和50年）7月1日に没した、日本の内務官僚、弁護士です。官選の県知事としても活躍しました。

生い立ちと学歴

山口県都濃郡富田村（現在の周南市）で、山中安兵衛の次男として生を受けました。第六高等学校を経て、1912年（明治45年）に東京帝国大学法科大学法律学科（独法）を卒業しました。同年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、その才能を早くから示しました。

内務官僚としてのキャリア

当初、司法省に入省しましたが、1914年（大正3年）に内務省へ転じ、三重県属として地方行政のキャリアをスタートさせました。その後、三重県警視、同県安濃郡長を歴任し、その行政手腕を発揮しました。さらに、青森県理事官、岐阜県警察部長、北海道庁書記官・拓殖部長、福岡県書記官・内務部長、北海道庁土木部長など、重要な役職を歴任し、着実にキャリアを積み重ねました。

県知事としての活躍

1929年（昭和4年）2月には、富山県知事に就任しました。当時、富山県は財政難に直面しており、山中恒三は緊縮予算の編成を余儀なくされました。その状況下でも、県政運営に尽力しました。1931年（昭和6年）4月には、埼玉県知事に転任し、引き続きその行政手腕を発揮しました。同年12月18日には、滋賀県知事への転任が発令されましたが、わずか三日後の12月21日に依願免本官となり、官界を退きました。

官界退官後の活動

退官後は、故郷に戻り弁護士として活動を開始するとともに、農業にも従事しました。官僚としての経験を活かし、地域社会に貢献しました。

まとめ

山中恒三は、内務官僚として数々の要職を歴任し、複数の県知事を務めるなど、地方行政に大きな足跡を残しました。その後の弁護士としての活動も含め、多岐にわたる分野で活躍した人物として、後世に語り継がれるべき存在です。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 埼玉県教育委員会編『埼玉人物事典』埼玉県、1998年。

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