山中正竹

山中正竹（やまなか まさたけ）

概要

1947年4月24日生まれの山中正竹は、日本の社会人野球界に多大な影響を与えた選手であり監督である。特に1992年のバルセロナオリンピックでは日本代表の監督として、チームを銅メダルに導いた。彼のキャリアは選手としての活躍から始まり、指導者としても成功を収めている。

来歴・人物

大分県で生まれ育った山中は、地元の大分県立佐伯鶴城高等学校でエースピッチャーとしての名声を確立。1964年の夏の甲子園予選では中央九州大会決勝に進出しライバル校と激闘を繰り広げたものの、甲子園出場を逃した。しかし、翌1965年の春季九州大会では見事優勝を果たし、彼の名前は一層広がっていった。

法政大学に進学後は、1年生からエースとして活動。大学在学中の4年間で通算48勝を記録し、東京六大学リーグにおいて法政大学の黄金時代を築く一翼を担った。特に1968年に達成した全日本大学野球選手権大会の優勝は、彼にとっての大きな勝利の一つであった。この期間中には多くの才能ある選手たちと共にチームを支え、大学野球界での名声を高めていく。

大学卒業後、住友金属工業に入社し社員チームでプレーを続けた。1971年には新日鐵広畑の補強選手として都市対抗野球大会で活躍。1976年に現役を引退した後は、1981年から住友金属の監督に就任。彼の指導のもと、チームは数回の都市対抗野球大会や日本選手権大会での優勝を果たした。

1988年にはソウルオリンピック日本代表のコーチを務め、1992年のバルセロナオリンピックでは監督として結実を享受した。

指導者としての功績

指導者としてのキャリアも華々しく、1994年から2002年まで母校の法政大学監督を務め、その間に7度のリーグ制覇を成し遂げた。また、2003年には横浜ベイスターズの専務取締役に就任し、プロ野球界にも貢献した。特にワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の技術委員として、国際大会での日本野球の成長にも寄与した。

功績と表彰

2016年1月、山中はアマチュア野球の発展に尽力した業績から、野球殿堂の特別表彰を受けた。その表彰式は2017年5月に行われ、彼の名前が再びスポットライトを浴びる瞬間となった。さらに全日本野球協会の副会長や会長、アジア野球連盟の副会長としても活躍し、国際的な野球界での貢献も認められている。

彼の著書『小さな大投手』は、彼の野球に対する情熱や経験を分かち合う一冊であり、ファンや選手にとっても貴重な参照となっている。

まとめ

山中正竹は選手、監督、指導者として日本の野球界に多くの足跡を残してきた。そのキャリアはただのスポーツの枠を超え、教育界への貢献やアマチュア野球の振興など、多岐にわたる。彼の功績は今後も野球界で語り継がれるだろう。

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